シートベルト非装着の可能性あるも相手の過失が大きく過失相殺が否定された事案

夜間(午後10時ころ)、交差点における自動車同士の出合頭衝突で、原告車運転中の被害者(昭和50年生まれ)が車外に放り出されて死亡した事案について、被告が本件交差点にすら気づかず、一時停止義務も怠ったことなどを理由に過失相殺を否定しました(名古屋地方裁判所平成25年10月25日判決・自動車保険ジャーナル1913号128頁)。

<弁護士のコメント>

被害者の死因が頭部外傷による脳挫傷であることからすると、被害者がシートベルトを装着していなかった点が損害の拡大につながったとも考えられますが、本件では、たとえシートベルトを装着していたとしても重大な結果が生じていた可能性が高いとされました。

なお、物損の示談や人身損害の交渉段階においても、過失相殺を主張していませんでしたが、この点について裁判所は特に判断していません。

<争点>

過失相殺(自動車VS自動車)

・過失相殺(シートベルト不装着)

・死亡逸失利益(老齢基礎年金部分・否認)

・入院慰謝料(搬送当日死亡・肯定)

・弁護士費用相当損害金(被害者請求をしていないことを考慮)