人身傷害保険とは

飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「人身傷害保険」についての解説です。

自動車事故の際に使用される任意保険のサービス内容は、大きく分けると、①自分や同乗者の(自分側の)損害を補償するものと②相手方への損害を代わって賠償するものとに分けられます。

このうちの前者の1つに、「人身傷害保険」という保険商品があります。この保険は、保険契約者やその同居の家族などの一定範囲の人が交通事故によって怪我や死亡した場合に、自身の契約している自分側の保険会社が、その損害を補償するというサービスです。

  この保険が登場したのは比較的最近で、平成10年ころです。それまでの自動車保険は、相手に損害を補償するという点にのみ特化していましたが、このころから自分の損害を自分の契約している保険会社が補償するという新たな形の保険商品が誕生しています。

その人身傷害保険については、具体的な内容は各保険会社の約款によって差はあるものの、ほとんどに共通して①使用しても等級が下がらない②相手の無保険や自身の過失といった事情に左右されにくい③簡易迅速に補償を受けられるという各メリットがあります。

②については、自身の契約する保険を使用するというものですから、相手が無保険や所在不明の場合でも、自身にも事故発生について過失がある場合でも、約款に定められた支払基準に基づいた保険金が受け取れるのが原則になっています。

③については、通常、相手方の保険会社が支払いを行う場合には、示談が成立するか、もしくは裁判所で判決が確定するまで、支払いがされないのが原則です(相手の保険会社による「一括対応」や「内払い」といった先払いの制度もありますが、お互いの主張が対立しているような事案では期待できません)。 

これに対して、人身傷害保険を請求する場合、請求先は自分が契約している保険会社ですから、支払いは迅速に行われます。 

以上のように、人身傷害保険は、被害者加害者双方の過失認識に差がある場合などに、非常に使い勝手の良い保険商品であるといえます。ただし、比較的新しく、複雑な点もあるので、すべての弁護士が十分に知識・経験を有しているとは、言い難いと思います。 

当事務所の弁護士は、このような保険の知識に精通しておりますので、お気軽にご相談ください。