交通事故の過失割合(別冊判例タイムズ38号【103】)

飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による交通事故の過失割合についての解説です。


今回は、車同士の事故のうち、信号機により交通整理の行われていない交差点における出合い頭事故(一方が明らかに広い道路である場合)を取り上げます。このケースでは、そもそも「明らかに広い」かどうかで争いになることがよくあります。また、この事故態様では、双方車両の速度によって過失割合が異なっています。

<別冊判例タイムズ38号>
交差点における直進車同士の出合い頭事故
交通整理の行われていない交差点における事故
一方が明らかに広い道路である場合【103】


1 基本過失割合
(1)同程度の速度
広路車30:狭路車70
(2)広路車減速せず、狭路車減速
広路車40:狭路車60
(3)広路車減速、狭路車減速せず
広路車20:狭路車80


2 修正要素
(1)狭路車の明らかな先入:+10
先入の程度が著しい場合は、本基準の対象外とされています。
(2)広路車の著しい過失:+10
(3)広路車の重過失:+20
(4)見とおしがきく交差点:-10
(5)狭路車の著しい過失:-10
(6)狭路車の重過失:-20
※大型車修正(5%程度)の可能性あり

<赤い本>
【35】別冊判例タイムズ38号にほぼ同様の記載。
ただし、①夜間修正:狭路車に+5、②双方車両の大型車修正+5について記載されています。一方、狭路車の明らかな先入については考慮されていません。