違反しがちな道路交通法その2

飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「違反しがちな道路交通法」についての解説です。

9月になりましたが、残暑が厳しいこの季節、エアコンをつけて、車内環境を快適にしている方は多いと思います。稀に、スーパーやコンビニで、ちょっとした買い物をするために、車のエンジンをかけたまま、車から離れて、店内に向かう方を目にすることがあります。
この点、エンジンをかけたまま、車から離れることは、以下のとおり、道路交通法71条5号に違反する場合もあります。

道路交通法71条5号
「車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。

五 車両等を離れるときは、その原動機を止め、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること。」

すなわち、例え車から離れた時間が1、2分程度であったとしても、道路交通法71条5号に該当するおそれがあります。

なお、上記義務に加えて、道路交通法71条5号より、運転者には、エンジンを切って、施錠をし、他人が運転できないようにする、盗難防止措置を行う義務もあります。

道路交通法71条5号の2
「五の二 自動車又は原動機付自転車を離れるときは、その車両の装置に応じ、その車両が他人に無断で運転されることがないようにするため必要な措置を講ずること。」

そして、道路交通法71条5号に違反した場合、5万円以下の罰金に科される可能性があります(道路交通法120条1項10号)。

道路交通法第120条1項10号
「次の各号のいずれかに該当する者は、五万円以下の罰金に処する。

十 第七十一条(運転者の遵守事項)第一号、第四号から第五号まで、第五号の三、第五号の四若しくは第六号、第七十一条の二(自動車等の運転者の遵守事項)、第七十三条(妨害の禁止)(第七十五条の二十三(特定自動運行において交通事故があつた場合の措置)第六項において読み替えて準用する場合を含む。)、第七十六条(禁止行為)第四項又は第九十五条(免許証の携帯及び提示義務)第二項(第百七条の三(国際運転免許証等の携帯及び提示義務)後段において準用する場合を含む。)の規定に違反した者」