2015.06.25更新

キャンディ・フレーク塗装を施す普通貨物自動車後部10数センチメートルの擦過痕の補修について、原告が主張した「全塗装」ではなく損傷部の「部分塗装」で足りると認定しました(東京高等裁判所平成26年1月29日判決・自動車保険ジャーナル148頁)。

<弁護士のコメント>

本件は原告車両の塗装色が特別な色で色合わせが困難という事情がありましたが、全塗装までは必要ないとしました。なお、キャンディフレーク塗装とは、フレーク塗装(光を反射する薄片(フレーク)を塗料に混入して塗布することにより粒状の光沢を出す塗装方法)の後にキャンディ・カラー塗装(メタリックカラーやパールカラーの塗料を下塗りした後に、有色透明のキャンディ・カラー塗料とクリアコート剤とを混ぜたものを塗布して独特の光沢を出す塗装方法)を施して独特の光沢を出す塗装方法です。

また、代車費用については、遊休車の存在を認定して否認しました。

<争点>

・修理費用(全塗装・否認)

・代車費用(否認)

投稿者: 小島法律事務所

2015.05.29更新

初度登録23年10月の原告車両について同年12月28日発生事故時(走行距離2204キロメートル)の全損時価額を新車販売価格とほぼ同額としました。また、買い替え諸費用としては、検査登録代行費用(半額)、車庫証明手続代行費用(半額)、納車費用(半額)、法定費用(登録手続費用及び車庫証明手続費用)を認めました。代車使用期間としては、全損通知を保険会社から受けたのが事故からほぼ1ヶ月後であることなどから50日を認めました。

<弁護士のコメント>

本件は、買い替え諸費用について、詳細な認定をしています。買い替え諸費用は、車両が全損(時価額を修理費用が上回る場合)に、時価額に加えて損害として認められます。つまり、車を買うときには、値札通りの金額では購入できず、実際にはいろいろな費用をディーラーに支払うことが避けられません。そこで、そのような現実に即して、買い替え諸費用についても被害者の損害として認められているのです。買い替え諸費用の一部が半額になっているのは「当該費用が手続を代行した業者に対する報酬である」ことが理由です。本件では全損にしては長めの代車使用期間が認定されていますが、修理費用と時価額が近かったことや全損通知が遅れたことから50日とされたものと考えられます。全損の場合は、買い替え期間相当の代車使用期間が認定されるのが原則で、通常は1か月程度になります。

<争点>

・全損時価額

・買い替え諸費用

・代車使用期間

・右直事故の過失割合

投稿者: 小島法律事務所

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