2015.06.29更新

投稿者: 小島法律事務所

2015.06.26更新

乗用車を運転信号待ち停止中に被告乗用車に追突され、頸椎捻挫等から低髄液圧症候群を発症し、9年余り通院して12級後遺障害を残したと主張する男子会社員の原告について(自賠責14級9号)、低髄液圧症候群の発症を否認し、14級後遺障害としました(東京地方裁判所平成25年11月27日判決・自動車保険ジャーナル37頁)。

<弁護士のコメント>

原告が「低髄液圧症候群」との診断を受けたのは、本件事故から1年9か月もの期間を経過した後でした。したがって、外傷性のものかどうかの判断が極めて困難と考えれらます。また、低髄液圧症候群の要件も充足していませんでした。さらに、原告が12級を主張していますから他覚的所見の有無が争われましたが、裁判所は他覚的所見が一貫していないとして否認しました。

後遺障害逸失利益については、原告の給与が増額していることが問題になりましたが、原告には後遺障害逸失利益を免れるべく特別な努力をしたものと認定され、労働能力喪失率5%、労働能力喪失期間5年間で後遺障害逸失利益が認定されています。

<争点>

・後遺障害(低髄液圧症候群)

・後遺障害逸失利益(減収がなくむしろ増加)

投稿者: 小島法律事務所

2015.06.17更新

乗用車を運転停止中の追突事故の被害者が脳脊髄液減少症の診断を受け、自賠責9級10号に該当すると主張した事案について、事故の約1年4か月後の受診までに起立性頭痛等の症状を訴えていたと認められず、また、ブラッドパッチ治療の効果もなく、画像所見もないことから、脳脊髄液減少症の発症を否認して14級9号を認定しました(大阪地方裁判所平成25年7月23日判決・自動車保険ジャーナル14頁)。

<弁護士のコメント>

本件は自賠責で後遺障害が非該当となったにもかかわらずず裁判では原告は9級10号相当の主張された事案です。脳脊髄液減少症の診断基準については定説はないものの①起立性頭痛、②髄液圧低下、③MRIでの硬膜増強効果があげられるとしています。そして、裁判所は、診断基準として、①国際頭痛分類第2版(IDHD-Ⅱ)、②脳脊髄液減少症外ガイドライン2007、③外傷に伴う低髄液圧症候群の診断基準、④脳脊髄液減少症の診断・治療法の確立に関する研究 平成22年度総括研究報告書を挙げ、本件では診断基準を満たす状況が存在することの立証がないとしました。本件では、通常の脳脊髄液減少症の要件を充足しないことのみならず、1年4か月もの期間経過後に症状を訴えている点が問題になっています。

また、治療費の負担について、確定診断がなされる前の治療費については、否認しています。脳脊髄液減少症を主張して訴訟に至る場合、確定診断までの間に相当の期間を有し、治療費の負担も大きくなりますから、それについて加害者の負担を求めることができないという状況は、被害者の現実問題としては苦しいと言わざるをえません。もっとも、法的に加害者が負担することが相当であるかという判断においては、この裁判例のとおり、負担させるべきではないと考えています。

<争点>

・脳脊髄液減少症

・確定診断前の治療費

投稿者: 小島法律事務所

2015.06.16更新

64歳女子原告が乗車したバスが信号待ちで停止中に普通乗用自動車に玉突き追突された事案(頸椎捻挫等で自賠責14級9号認定)について、脳脊髄液減少症及び軽度外傷性脳損傷(MTBI)の発症については、いずれも要件を充足するものではないとして否認されました。なお、被害者は、交通事故によって脳及び身体が損傷されてその治療行為が現在も続いていることの確認についても求めましたが、裁判所は確認の利益がないとして却下しました(東京地裁平成25年10月28日判決・自動車保険ジャーナル1913号・1頁)。

<弁護士のコメント>

脳脊髄液減少症については、①起立性頭痛が認められないこと、②画像所見がないこと、③ブラッドパッチの効果がないことによって、本件事故による発症が否認されています。なお、医師の診断においても、はっきりとした診断がされていたわけではありませんでした。

また、軽度外傷性脳損傷(MTBI)については、WHOの診断基準を満たさないとして発症が否認されました。

なお、軽度外傷性脳損傷(MTBI)が否認された事例としては、他に、大阪地裁平成23年9月29日判決(自動車保険ジャーナル1866号)、東京高裁平成22年11月24日判決(自動車保険ジャーナル1837号)がありますが、いずれも14級9号が認定されています。

<争点>

・脳脊髄液減少症

・軽度外傷性脳損傷(MTBI)

投稿者: 小島法律事務所

2015.06.05更新

30歳男子会社員が低髄液圧症候群を発症したという事案(自賠責後遺障害非該当)について、起立性頭痛なく、画像上の異常所見もないとしました。また、RIシンチグラフィーにおける所見は新基準において診断基準上重視されていないとして、低髄液圧症候群を否認しました(東京高等裁判所平成26年1月15日判決・1頁)。

<弁護士のコメント>

本件では、低髄液圧症候群の診断において「国際頭痛分類第3版のbeta版の国際頭痛分類基準」によっています。本判決では、①新基準においても起立性頭痛は診断基準から外されていない、②RIシンチグラフィーにおける所見は新基準では重視されていないとされました。新基準によって低髄液圧症候群の発症の有無が判断された例(否定例)としては、他に東京高等裁判所平成25年10月30日判決・自動車保険ジャーナル1907号があります。低髄液圧症候群の発症の有無が問題になる場合、診断基準を満たすかどうかが大きな争点になります。本件では、診断基準の内容自体(内容の理解)についても問題になり、裁判所が判断している点に特徴があります。

<争点>

・低髄液圧症候群

投稿者: 小島法律事務所

2015.05.26更新

生保会社社長女子Xは、平成18年12月18日、乗用車を運転中、Y運転の乗用車に追突され(第1事故)、脳脊髄液減少症(脳脊髄液漏)を発症、その約1年5か月後にZ運転の乗用車に追突され(第2事故)、脳脊髄液減少症が増悪し、12級後遺障害が残存したとする(自賠責非該当)事案につき、起立性頭痛を否認し、ブラッドパッチの改善効果も否認し、結論として、脊髄液減少症については否認しました。なお、本件では、第1事故と第2事故の関係については、民法719条1項前段の共同不法行為に該当しないとされました(福岡高等裁判所平成25年10月10日・自動車保険ジャーナル26頁)。

<弁護士のコメント>

脳脊髄液減少症の要件を充足しないと判断しないとした裁判例です。本件のポイントとしては、診療録に起立性頭痛についての記載があり、医師がブラッドパッチ治療による改善を明確に述べていたという点がありますが、裁判所は、どちらについても、その実態を具体的事実から判断し、否認しました。

<争点>

・脳脊髄液減少症(起立性頭痛・RIの膀胱内の早期集積、RI脳槽シンチ画像、ブラッドパッチ)

・共同不法行為

・訴訟提起前の保険会社による和解提示の撤回

投稿者: 小島法律事務所

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