乗用車を運転信号待ち停止中に被告乗用車に追突され、頸椎捻挫等から低髄液圧症候群を発症し、9年余り通院して12級後遺障害を残したと主張する男子会社員の原告について(自賠責14級9号)、低髄液圧症候群の発症を否認し、14級後遺障害としました(東京地方裁判所平成25年11月27日判決・自動車保険ジャーナル37頁)。
<弁護士のコメント>
原告が「低髄液圧症候群」との診断を受けたのは、本件事故から1年9か月もの期間を経過した後でした。したがって、外傷性のものかどうかの判断が極めて困難と考えれらます。また、低髄液圧症候群の要件も充足していませんでした。さらに、原告が12級を主張していますから他覚的所見の有無が争われましたが、裁判所は他覚的所見が一貫していないとして否認しました。
後遺障害逸失利益については、原告の給与が増額していることが問題になりましたが、原告には後遺障害逸失利益を免れるべく特別な努力をしたものと認定され、労働能力喪失率5%、労働能力喪失期間5年間で後遺障害逸失利益が認定されています。
<争点>
・後遺障害(低髄液圧症候群)
・後遺障害逸失利益(減収がなくむしろ増加)