2015.06.16更新

丁字路を左折した自転車と左方から直進してきた自転車の出会い頭衝突の過失割合について。裁判所は50:50と判断しました(東京地裁平成25年10月28日判決・自動車保険ジャーナル157頁)。

<弁護士のコメント>

自転車同士の交通事故ですから、別冊判例タイムズ38号によって過失割合を判断することができません。本件では、直進自転車が右寄りを通行していたことや、右側から進入してくる車両はないものと考えて漫然と交差点に進入したことをもって、直進車の過失を通常よりもやや重く判断しています。なお、実況見分調書の内容について争った点については、自身が立ち会っていることや実況見分調書の記載を前提に作成された供述調書に署名・押印していることから実況見分調書の記載にしたがった判断がなされました。民事訴訟に先立って作成された刑事記録の信用性について争うことはたまにありますが、人身事故の場合、上記のプロセスにしたがって実況見分調書や供述調書が作成されていることから、争うことが困難であると想定できます。

<争点>

・過失割合(自転車VS自転車)

・人身傷害保険と過失相殺(裁判基準差額説)

投稿者: 小島法律事務所

2015.06.16更新

自転車同士の衝突事故において、横断歩道を途中から右折した自転車が左方から直進してきた時点車の右後方から衝突した事案において、左折自転車の過失を7割、直進自転車の過失を3割と判断しました。また、後遺障害が残存したとの原告の主張を認めませんでした(東京地方裁判所平成25年10月29日判決・自動車保険ジャーナル152頁)。

<弁護士のコメント>

直進していただけの自転車に3割の過失を認定していますが、これは、本件事故現場が横断歩道を途中から左折して横断する自転車が多い現場だったことから、そのような自転車の存在にも注意を払うべきとされたことが理由です。本件のように、自転車同士の事故の過失割合については、別冊判例タイムズ38号には記載がないので、裁判例の集積によって判断することになります。

また、自転車同士の事故ですから後遺障害について自賠責の認定を受けることができないことから、被害者は裁判所に12級相当の後遺障害逸失利益及び後遺障害慰謝料を認定するよう求めていますが、結論としては否認されました。その理由は①自覚症状はあるものの、症状の程度、内容、経過等があきらかでないこと、②後遺障害を裏付ける他覚的所見が各診断書にないことです。

<争点>

・過失割合(自転車VS自転車)

・後遺障害の有無

投稿者: 小島法律事務所

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