2024.09.06更新

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「道路標識の地域差」についての解説です。

 多くの方が見たことのある「止まれ」の路面上の道路標識、実は、国によって統一されていないことはご存知でしょうか。

 道路標示には、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」に基づいた「規制標示」・「指示標示」と呼ばれる道路標示、これら法令に基づかない「法定外表示」と呼ばれるものがあります。
 この「法定外表示」については、警察庁より下記のとおり設置指針が示されており、設置指針に該当すれば設置が可能とされています。

①道路交通法(昭和35年法律105号)の規定に基づく交通の規制を行う場合に、標識令上、道路標識又は道路標示のいずれかのみが規定されている場合に係る交通規制についてその実効性を高めることを目的として設置する場合
②道路の状況又は交通の特性に関する注意喚起を行い、間接的に安全な交通方法を誘導する場合
③交通方法に関する注意喚起を促すもので、交通規制の実効性を高めることを目的として設置する場合
④直接的に交通の安全と円滑に寄与するものではないが、災害発生時の緊急交通路の確保等、交通管理上、必要性の極めて高い場合
⑤その他交通の安全と円滑のために必要と認められる場合

 この点、多くの方が見たことのある「止まれ」の標識は、実は「法定外表示」であり、その様式については統一されておらず、上記の基準に該当すれば「止まれ」の表記以外でも設置することが可能です。そのため、地方によっては「止まれ」の表記が、カタカナの「トマレ」になっていたり、「れ」の二画目の最後のはねがなかったりと、異なる標記の場所もあります。

投稿者: 小島法律事務所

2024.08.23更新

 今年のお盆休みは8月16日も休めば9日間の長期休暇になるため、お盆休み中、観光地に行ったり、帰省したりする際に高速道路を利用した方も、多いかと思います。
 この点、高速道路を利用するにあたって避けて通れないのは、本線道路へ合流における合流箇所での交通渋滞です。

 この合流において、合流車線の先頭車両だけではなく途中の車両が本線へ合流した場合や本線車車両が合流車両の合流を譲らなかった場合など合流車線車両の本線への合流がバラバラな場合、双方車両のブレーキを踏む回数が増えるため、その分渋滞起きやすくなります。
この点、合流地点での合流方法としては、「ファスナー合流」が推奨されています(なお、日本の法令上、この合流方法は道路交通法上の義務ではありません)。
 この「ファスナー合流」とは、合流部の先端部分で、合流車線の車両と本線の車両とが、1台ずつ交互に合流する方法です。

ファスナー合流

参照図:NEXCO東日本
(https://www.e-nexco.co.jp/news/activity/2021/1115/00010502.html)

 ファスナー合流については、本線を走行している車両の運転者の意見としては、合流車線車両が自分よりも前に進むため、「ズルい」と感じる意見もあるようです。
 もっとも、合流を妨害すれば、接触事故の危険も増加するため、合流時の運転として、「ファスナー合流」を許容する心のゆとりを持った運転が必要かと思います。

投稿者: 小島法律事務所

2024.08.02更新

飯塚市の小島法律事務所より、2024年(令和6年)のお盆休みのお知らせです。

 誠に勝手ながら、当事務所は、令和5年8月10日(土)~8月18日(日)までをお盆休みとさせていただきます。

 ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご了承ください。

小島法律事務所

弁護士 小島邦夫

投稿者: 小島法律事務所

2024.07.26更新

 道路交通法上、夜間における自動車の走行については、ハイビームで走行することが基本となっています(道路交通法52条1項、2項)。
では、以下の事例におけるハイビームの使い方は、道路交通法に違反するでしょうか。

 夜間、片側1車線の道路を、ハイビームで直進中に、対向車線を自転車が自車に向かって直進していました。ロービームでは、自転車の姿が見えにくくなるため、車の運転者は、ハイビームのまま直進して、自転車とすれ違いました。
 この点、自転車とすれ違う際に、ハイビームからロービームにしなかった運転者は、道路交通法52条2項違反にあたる可能性があります。

第52条 
「車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする。
2 車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。」

 ハイビームのまま自転車とすれ違ったことから、上記の「他の車両等の交通を妨げるおそれ」にあたるのかが問題となります。
 この点、「他の車両等の交通を妨げるおそれ」とは、前照灯の照度が強いため、これと行き違い又は先行する車両等の運転者がげん惑され、運転に支障をきたすおそれがあるときと解されています。
 そのため、上記事例では、ハイビームの強い光によって、対向車線を直進する自転車の運転者がげん惑されるおそれがあるため、道路交通法52条2項違反となる可能性があります。

 そして、道路交通法52条2項に違反した場合、5万円以下の罰金の処分を受ける可能性があります(第120条1項6号)。

投稿者: 小島法律事務所

2024.07.12更新

 最近、青切符やヘルメットの装着など、自転車に関わる規制が増えています。今回は、自転車運転で行いがちな道路交通法違反について解説します。

 「自転車を除く」補助標識がある歩行者用道路(例えば、商店街内の道路など)を、自転車で走行中、進行方向に歩行者がいました。歩行者の横を通り抜けることはできましたが、その歩行者と接触しないように、注意を促すため、ベルを鳴らしました。
注意を促すために、ベルを鳴らしたこの行為、実は、道路交通法に違反になる可能性があります。

 まず、「歩行者用道路」を通行する車両には、「特に歩行者に注意して徐行しなければならない」特別な義務を負っています(道路交通法9条)。そのため、徐行しない場合はもちろんのこと、徐行していてもわき見運転などにより歩行者に接触又はしそうになった場合には、同法の注意義務に違反となるおそれがあります。

 また、自転車のベル(警音器)は、「危険を防止するためやむを得ないとき」除き、鳴らしてはならないと規定しています(道路交通法54条2項)。

道路交通法第54条
(警音器の使用等)
「車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。
一 左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。
二 山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき。
2 車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。」

 この点、「危険を防止するためやむを得ないとき」とは、「警音器(クラクション)を鳴らすほかに危険を防止することができない場合」と解されています。
 そのため、歩行者に自身の存在を気付かせるためにクラクションを鳴らすことは、自転車から降りて押して歩くなどで接触の危険を回避することができるので、「危険を防止するためやむを得ないとき」に該当せず、道路交通法54条2項違反になる可能性があります。

 そして、道路交通法54条2項に違反した場合、2万円以下の罰金又は科料に科される可能性があります(第121条1項9号)。

道路交通法第121条 
「次の各号のいずれかに該当する者は、二万円以下の罰金又は科料に処する。
一 …

九 第五十四条(警音器の使用等)第二項又は第五十五条(乗車又は積載の方法)第三項の規定に違反した者」

 

投稿者: 小島法律事務所

2024.06.21更新

 2018年12月に「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」が改正されたことにより、新しい道路標識が制定されました。
 新しい道路標識は以下のものです。

標識


 この標識は、タイヤチェーンを付けていない車の通行を禁止するものです(命令第10条別表5:310の3)。この点、スタットレスタイヤを装着していたとしても、タイヤチェーンを装着していなかければ、通行が禁止されます。

 規制の対象期間は、大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪があるときです。

 また、令和6年6月時点の規制対象区域は、以下の13区画です。
一般道 区間 距離
・国道112号線 山形県西川町志津~鶴岡市上名川 27km
・国道7号線 新潟県村上市大須戸~同市上大鳥 16km
・国道138号線 山梨県山中湖村平野~静岡県小山町須走御登口 9km
・国道8号線 福井県あわら市熊坂~同市笹岡 4km
・国道54号線 広島県三次市布野町上布野~島根県飯南町上赤名 12km
・国道56号線 愛媛県西予市宇和町~大洲市松尾 7km
高速道路 区間 距離
・上信越道 長野県信濃町IC~新潟県新井PA 25km
・中央道 山梨県須玉IC~長坂IC 9km
・中央道 長野県飯田山本IC~園原IC 10km
・北陸道 福井県丸岡IC~石川県加賀IC 18km
・北陸道 滋賀県木之本IC~福井県今庄IC 45km
・米子道 岡山県湯原IC〜鳥取県江府IC 34km
・浜田道 広島県大潮IC〜島根県旭IC 27km

 上記のとおり、現時点では、福岡県飯塚市は対象とはなっていませんが、今後の気象状況や道路状況によっては、規制対象区域に含まれる可能性もあります。

 運転免許証を取得したときから道路標識が変更・追加されることがありますので、今一度、変更・追加された道路交通や道路標識の情報の確認をしてみてはいかがでしょうか。

 

投稿者: 小島法律事務所

2024.06.07更新

 遠隔操作型小型車の交通方法等に関する規定の整備に伴い、道路交通法の一部を改正する法律が令和4年4月27日に公布され、令和5年4月1日に施行されました。

 遠隔操作型小型車とは、「人又は物の運送の用に供するための原動機を用いる小型の車であつて遠隔操作により通行させることができるもののうち、車体の大きさ及び構造が歩行者の通行を妨げるおそれのないものとして内閣府令で定める基準に該当するものであり、かつ、内閣府令で定める基準に適合する非常停止装置を備えているもの」をいいます(道路交通法第2条1項第11号の5)。
 例えば、宅配ロボットなどの自動走行ロボットや、自律走行可能な車いすなどです。

 また、内閣府令で定める基準(道路交通法施行規則第1条の6)は以下のとおりです。
(車体の大きさ)
① 長さ:120㎝以下
② 幅:70㎝以下
③ 高さ:120㎝以下

(車体構造)
① 原動機として、電動機を用いること。
② 時速6㎞を超える速度を出すことができないこと。
③ 歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと。
④ 非常停止装置を備えていること。

 そして、遠隔操作型小型車を利用するにあたっては、遠隔操作型小型車を通行させようとする場所を管轄する都道府県公安委員会へ、通行を開始しようとする日の1週間前までに、届出(使用者の氏、通行する場所、遠隔操作を行う場所、非常停止装置の位置、ロボットの型式・仕様等)をしなければなりません(道路交通法第15条の3)。
 なお、届出をせずに、遠隔操作型小型車を遠隔操作で道路を通行させた場合には、30万円以下の罰金の処罰を受ける可能性があります(道路交通法119条の2の2第1号)。

投稿者: 小島法律事務所

2024.05.24更新

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「縁石の実線と破線」についての解説です。

 道路を運転していると、稀に、縁石に黄色い実線や破線のペイントを見かけることがあります。ペイントの色からして、このペイントは、運転者に縁石があることについて注意を促しているものと、思った方も多いかと思います。
 しかし、実は、この縁石のペイントは、道路交通法上の規制標示であり、知らず知らずのうちに、道路交通法に違反している可能性もあります。

 まず、縁石の黄色い実線は「駐停車禁止」の規制標識にあたります(道路交通法第44条1項、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令第10条別表第6・103)

 次に、縁石の黄色い破線は「駐車禁止」の規制標識にあたります(道路交通法第44条1項、道路標識、区画線及び道路標示に関する命令第10条別表第6・104)。

道路交通法第44条
「車両は、道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。
一 交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂又はトンネル
二 交差点の側端又は道路の曲がり角から五メートル以内の部分
三 横断歩道又は自転車横断帯の前後の側端からそれぞれ前後に五メートル以内の部分
四 安全地帯が設けられている道路の当該安全地帯の左側の部分及び当該部分の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分
五 乗合自動車の停留所又はトロリーバス若しくは路面電車の停留場を表示する標示柱又は標示板が設けられている位置から十メートル以内の部分(当該停留所又は停留場に係る運行系統に属する乗合自動車、トロリーバス又は路面電車の運行時間中に限る。)
六 踏切の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分
2・・・」

 そして、道路交通法44条1項に違反した場合、15万円以下の罰金又は科料に科される可能性があります(第119条の2の4第1項第1号)。

第119条の2の4 
「次の各号のいずれかに該当する行為(その行為が車両を離れて直ちに運転することができない状態にする行為に該当するとき又はその行為をした場合において車両を離れて

投稿者: 小島法律事務所

2024.05.09更新

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「青信号に変わっても前方車両が動かない時のクラクション」についての解説です。

 信号機が赤から青に変わったにもかかわらず、前方車両が停止したままであった時、前方車両の運転手に、青信号へ変わったことを気付かせるため、クラクションを鳴らした経験がある方も多いかと思います。
 この点、上記のように、信号が変わったことを気付かせるために、クラクションを鳴らした場合、以下のとおり、道路交通法54条2項違反に該当する可能性があります。

道路交通法第54条
(警音器の使用等)
「車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。
一 左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。
二 山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき。
2 車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。」

 この点、「危険を防止するためやむを得ないとき」とは、「警音器(クラクション)を鳴らすほかに危険を防止することができない場合」と解されています。
 そのため、信号が変わったことを気付かせるためにクラクションを鳴らすことは、「危険を防止するためやむを得ないとき」に該当しないため、道路交通法54条2項違反になる可能性があります。

 そして、道路交通法54条2項に違反した場合、2万円以下の罰金又は科料に科される可能性があります(第121条1項9号)。

道路交通法第121条 
「次の各号のいずれかに該当する者は、二万円以下の罰金又は科料に処する。
一 …

九 第五十四条(警音器の使用等)第二項又は第五十五条(乗車又は積載の方法)第三項の規定に違反した者」

投稿者: 小島法律事務所

2024.04.26更新

 飯塚市の小島法律事務所より、ゴールデンウィーク期間の休業についてのお知らせです。

 誠に勝手ながら、弊所は令和6年4月27日(土曜日)から5月7日(月曜日)までの期間を、ゴールデンウィーク休業といたします。

 ご迷惑をおかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

 弁護士 小島邦夫

投稿者: 小島法律事務所

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