違反しがちな道路交通法違反(自転車の通行)
2024.12.26更新
最近、青切符やヘルメットの装着など、自転車に関わる規制が増えています。今回は、自転車運転で行いがちな道路交通法違反について解説します。
よくある自転車の走行として、以下のような走行をした方もいるかと思います。
朝寝坊をしたA君、登校時間に間に合わせるため、自転車で道路左側を時速20㎞程度で走行していると、前方に、渋滞している車列が見えました。このままでは、登校時間に間に合わないと思ったので、「歩行者優先」の補助標識(青い標識で歩行者と自転車のマークが描いてある標識)がある歩道を、そのままの速度(時速20㎞程度)で走行し、渋滞を抜けた後に、道路左側に降りて、そのまま道路を走行しました。
歩道を時速20㎞で走行したA君の行為、実は、道路交通法に違反になる可能性があります。
自転車の通行について、道路交通法17条より、原則として、車道の通行と義務付けています。なお、自転車は軽車両(道路交通法(以下、法令名は省略します)2条11号)という車両(2条8号)の一種にあたります。
(通行区分)
第17条
「車両は、歩道又は路側帯(以下この条及び次条第一項において「歩道等」という。)と車道の区別のある道路においては、車道を通行しなければならない。ただし、道路外の施設又は場所に出入するためやむを得ない場合において歩道等を横断するとき、又は第四十七条第三項若しくは第四十八条の規定により歩道等で停車し、若しくは駐車するため必要な限度において歩道等を通行するときは、この限りでない。」
そして、自転車の内、「普通自転車」については、一定の要件のもと、例外的に、車道を通行することができます(道路交通法63条1項)。
もっとも、普通自転車が歩道を通行するにあたっては、「徐行」しなければならないことには、注意が必要です。
なお、「普通自転車」とは、自転車の内、車体の大きさ及び構造が内閣府令で定める基準(下記)に適合する自転車で、他の車両をけん引していないものを指します。
①車体の大きさ
・長さ190cm以内 幅60cm以内
②車体の構造
・4輪以下であること
・側車を付けていないこと(補助輪は除く)
・運転者以外の乗車装置を備えていないこと(幼児用乗車装置を除く)
・ブレーキが、走行中容易に操作できる位置にあること
・歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと
(普通自転車の歩道通行)
第63条の4
「普通自転車は、次に掲げるときは、第十七条第一項の規定にかかわらず、歩道を通行することができる。ただし、警察官等が歩行者の安全を確保するため必要があると認めて当該歩道を通行してはならない旨を指示したときは、この限りでない。
一道路標識等により普通自転車が当該歩道を通行することができることとされているとき。
二当該普通自転車の運転者が、児童、幼児その他の普通自転車により車道を通行することが危険であると認められるものとして政令で定める者であるとき。
三前二号に掲げるもののほか、車道又は交通の状況に照らして当該普通自転車の通行の安全を確保するため当該普通自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき。
2 前項の場合において、普通自転車は、当該歩道の中央から車道寄りの部分(道路標識等により普通自転車が通行すべき部分として指定された部分(以下この項において「普通自転車通行指定部分」という。)があるときは、当該普通自転車通行指定部分)を徐行しなければならず、また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。ただし、普通自転車通行指定部分については、当該普通自転車通行指定部分を通行し、又は通行しようとする歩行者がないときは、歩道の状況に応じた安全な速度と方法で進行することができる。」
したがって、先ほどの事例において、A君は、時速20㎞で歩道を通行し、徐行していないことから、道路交通法17条1項及び63条1項、2項違反になる可能性があります。
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