自賠責保険における眼鏡の取り扱い
2021.10.08更新
今回は、飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「自賠責保険における眼鏡の取り扱い」についての解説です。
交通事故の損害は、大きく分けて、①人の生命や身体に生じた損害(人損)と②財産に生じた損害(物損)に分かれます。
人損と物損の大きな違いは、自動車損害賠償保障法(以下、「自賠法」という。)の適用の有無です。そして、自賠法は、人損のみに適用されます(自賠法3条)。
この点、自賠法3条本文は、「自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。」と規定しています。
そして、「身体」とは、人の肉体のみを意味するものではなく、医師が身体機能を補完するために必要と認めた物も含まれると解されています。例えば、義肢、義眼、眼鏡、補聴器、松葉杖等です。
したがって、交通事故により、眼鏡などが壊れた場合には、眼鏡などの費用も損害賠償請求の対象となります。
ただし、損害賠償の対象となる費用の範囲は、用具の制作等に必要かつ妥当な範囲に限られていることから、制作費用が高額になる場合には、請求が認められない可能性があることに注意が必要です。
なお、眼鏡(コンタクトレンズも含む)の費用としては、自賠責保険の支払基準上、5万円が限度となります。
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