2023.10.27更新

 2023年1月から車検時に電子車検証が交付されます。従来の紙の車検証から大きさや様式が変わるとともに、車検証の情報を電子的に読み取る「車検証閲覧サービス」が開始されます。


 主な変更点は以下のとおりです。
1 車検証のサイズがコンパクトに
 皆様もご存知のとおり、従来の車検証はA4サイズです。これに対し、電子車検証は、A6サイズに大きさが変わります。これに加え、電子車検証は、従来の車検証よりも厚さが増し、ICタグが貼付されます。

2 車検証情報はアプリで確認
 従来の車検証には、車検証の有効期限、車の所有者の情報、使用者の住所が記載されています。これに対し、電子車検証には、車検証の有効期限、車の所有者の情報、使用者の住所が記載されいません。ですから、関係事業者などは、車検証閲覧アプリを活用して、当該情報を確認することになります。

 この点、交通事故において、加害者に対し、車の修理費等について損害賠償請求をする際、車の修理費等についての損害賠償請求権は基本的に車の所有者に生じるため、まず、車検証を確認し、車の所有者を確認します。そのため、今回の車検証の電子化は、車の所有者を瞬時に確認できない点で、訴訟等に影響を及ぼすことが考えられます。

投稿者: 小島法律事務所

2023.10.12更新

 運転中、携帯電話が鳴って、どうしても出なければならない相手で、咄嗟に停車させて、電話に出た経験がある方は多いと思います。
 この点、駐車禁止の標識がある場所はもちろんのこと、それ以外の場所でも、以下のとおり、道路交通法44条1項に違反する場合もあります。

道路交通法44条1項
「車両は、道路標識等により停車及び駐車が禁止されている道路の部分及び次に掲げるその他の道路の部分においては、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため一時停止する場合のほか、停車し、又は駐車してはならない。
一 交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂又はトンネル
二 交差点の側端又は道路の曲がり角から五メートル以内の部分
三 横断歩道又は自転車横断帯の前後の側端からそれぞれ前後に五メートル以内の部分
四 安全地帯が設けられている道路の当該安全地帯の左側の部分及び当該部分の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分
五 乗合自動車の停留所又はトロリーバス若しくは路面電車の停留場を表示する標示柱又は標示板が設けられている位置から十メートル以内の部分(当該停留所又は停留場に係る運行系統に属する乗合自動車、トロリーバス又は路面電車の運行時間中に限る。)
六 踏切の前後の側端からそれぞれ前後に十メートル以内の部分」

 当該規制の主たる理由は、違法な停車は、交通渋滞を引き起こすだけでなく、道路の見通しを悪くさせ、交通事故の原因となるため、停車を禁止し、交通の安全を確保することにあします。

 そして、道路交通法45条1項に違反した場合、10万円以下の罰金に科される可能性があります(道路交通法119条の3第1項1号)。

道路交通法第119条の3第1項1号
「次の各号のいずれかに該当する者(第一号から第四号までに掲げる者にあつては、前条第一項の規定に該当する者を除く。)は、十万円以下の罰金に処する。
一 第四十四条(停車及び駐車を禁止する場所)第一項、第四十五条(駐車を禁止する場所)第一項若しくは第二項、第四十八条(停車又は駐車の方法の特例)、第四十九条の三(時間制限駐車区間における駐車の方法等)第二項若しくは第三項、第四十九条の四(高齢運転者等専用時間制限駐車区間における駐車の禁止)又は第四十九条の五(時間制限駐車区間における駐車の特例)後段の規定の違反となるような行為をした者(第四十九条の三第二項の規定の違反となるような行為をした者にあつては、次号に該当する者を除く。)」

投稿者: 小島法律事務所

2023.09.29更新

 今年も残すところ3ヶ月ほどとなりました。今年は、大雨やゲリラ豪雨など、何かと雨がよく降っていたように思います。飯塚市でも、遠賀川の河川敷沿いの道路では、大雨の影響により排水が間にあわず、道路の端に水たまりができ、しぶきを上げて水たまりを通行する車両をよく見かけました。
 この点、しぶきを上げて水たまりを通行する、いわゆる泥はね運転により、歩行者の衣服などを汚損させてしまった場合、以下のとおり、道路交通法71条1号に違反する場合もあります。

道路交通法71条1号
「車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
一 ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器を付け、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること。」

 すなわち、車両がぬかるみや水たまりを通行するときは、徐行などをして、泥水などを歩行者に飛散させないようにしなければならず、歩行者などの迷惑にあるような運転は、道路交通法71条1号に該当するおそれがあります。

 そして、道路交通法71条1号に違反した場合、5万円以下の罰金に科される可能性があります(道路交通法120条1項10号)。

道路交通法第120条1項10号
「次の各号のいずれかに該当する者は、五万円以下の罰金に処する。

十 第七十一条(運転者の遵守事項)第一号、第四号から第五号まで、第五号の三、第五号の四若しくは第六号、第七十一条の二(自動車等の運転者の遵守事項)、第七十三条(妨害の禁止)(第七十五条の二十三(特定自動運行において交通事故があつた場合の措置)第六項において読み替えて準用する場合を含む。)、第七十六条(禁止行為)第四項又は第九十五条(免許証の携帯及び提示義務)第二項(第百七条の三(国際運転免許証等の携帯及び提示義務)後段において準用する場合を含む。)の規定に違反した者」

投稿者: 小島法律事務所

2023.09.15更新

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「違反しがちな道路交通法」についての解説です。

 9月になりましたが、残暑が厳しいこの季節、エアコンをつけて、車内環境を快適にしている方は多いと思います。稀に、スーパーやコンビニで、ちょっとした買い物をするために、車のエンジンをかけたまま、車から離れて、店内に向かう方を目にすることがあります。
 この点、エンジンをかけたまま、車から離れることは、以下のとおり、道路交通法71条5号に違反する場合もあります。

道路交通法71条5号
「車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。

五 車両等を離れるときは、その原動機を止め、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること。」

 すなわち、例え車から離れた時間が1、2分程度であったとしても、道路交通法71条5号に該当するおそれがあります。

 なお、上記義務に加えて、道路交通法71条5号より、運転者には、エンジンを切って、施錠をし、他人が運転できないようにする、盗難防止措置を行う義務もあります。

道路交通法71条5号の2
「五の二 自動車又は原動機付自転車を離れるときは、その車両の装置に応じ、その車両が他人に無断で運転されることがないようにするため必要な措置を講ずること。」

 そして、道路交通法71条5号に違反した場合、5万円以下の罰金に科される可能性があります(道路交通法120条1項10号)。

道路交通法第120条1項10号
「次の各号のいずれかに該当する者は、五万円以下の罰金に処する。

十 第七十一条(運転者の遵守事項)第一号、第四号から第五号まで、第五号の三、第五号の四若しくは第六号、第七十一条の二(自動車等の運転者の遵守事項)、第七十三条(妨害の禁止)(第七十五条の二十三(特定自動運行において交通事故があつた場合の措置)第六項において読み替えて準用する場合を含む。)、第七十六条(禁止行為)第四項又は第九十五条(免許証の携帯及び提示義務)第二項(第百七条の三(国際運転免許証等の携帯及び提示義務)後段において準用する場合を含む。)の規定に違反した者」

投稿者: 小島法律事務所

2023.09.01更新

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「違反しがちな道路交通法」についての解説です。

 車を運転していると、稀に、車内から外へ、空き缶やタバコの吸い殻などのごみを捨てている方を目にすることがあります。
 この点、ごみのポイ捨ては、マナー違反であることはもちろんのこと、以下のとおり、道路交通法76条4項4号又は5号に違反する場合もあります。

道路交通法76条4項4号、5号
「4 何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。

四 石、ガラスびん、金属片その他道路上の人若しくは車両等を損傷するおそれのある物件を投げ、又は発射すること。
五 前号に掲げるもののほか、道路において進行中の車両等から物件を投げること。」

 すなわち、例えタバコの吸い殻のような小さなものであったとしても、道路交通法76条4項5号に該当するおそれがあります。

 また、道路交通法76条4項4号5号に違反した場合、5万円以下の罰金に科される可能性があります(道路交通法120条1項10号)。

道路交通法第120条1項10号
「次の各号のいずれかに該当する者は、五万円以下の罰金に処する。

十 第七十一条(運転者の遵守事項)第一号、第四号から第五号まで、第五号の三、第五号の四若しくは第六号、第七十一条の二(自動車等の運転者の遵守事項)、第七十三条(妨害の禁止)(第七十五条の二十三(特定自動運行において交通事故があつた場合の措置)第六項において読み替えて準用する場合を含む。)、第七十六条(禁止行為)第四項又は第九十五条(免許証の携帯及び提示義務)第二項(第百七条の三(国際運転免許証等の携帯及び提示義務)後段において準用する場合を含む。)の規定に違反した者」

投稿者: 小島法律事務所

2023.08.18更新

 福岡県内は、バスの普及率が高く、飯塚市内でも、バスが走行しているのをよく目にします。
 今回は、バスにまつわる道路交通法等に関するご説明です。

 バスの停留場に停まっているバスが、道路に戻り、発進するため、右ウインカーを点滅させて、発進の合図を出している場面をよく目にするかと思います。
 この点、合図を出しているバスに道を譲ることは、「単なるマナーでしょ?」と思う方も多いかと思います。
 しかしながら、停留場に停止していたバスが右ウインカーを点滅させ、発進の合図を出しているにもかかわらず、道を譲らず、発進を妨害した場合には、道路交通法31条の2に違反することになります。
(乗合自動車の発進の保護)
第31条の2
「停留所において乗客の乗降のため停車していた乗合自動車が発進するため進路を変更しようとして手又は方向指示器により合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした乗合自動車の進路の変更を妨げてはならない。」

 そして、道路交通法31条の2に違反した場合、「5万円以下の罰金」に課される可能性があります(道路交通法120条1項3号)。
第120条1項2号 
「次の各号のいずれかに該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
一 …
二 第二十五条(道路外に出る場合の方法)第三項、第二十六条(車間距離の保持)、第二十六条の二(進路の変更の禁止)第二項、第二十七条(他の車両に追いつかれた車両の義務)、第三十一条の二(乗合自動車の発進の保護)、第三十二条(割込み等の禁止)、第三十四条(左折又は右折)第六項(第三十五条(指定通行区分)第二項において準用する場合を含む。)、第三十六条(交差点における他の車両等との関係等)第一項、第三十七条(交差点における他の車両等との関係等)、第四十条(緊急自動車の優先)、第四十一条の二(消防用車両の優先等)第一項若しくは第二項又は第七十五条の六(本線車道に入る場合等における他の自動車との関係)の規定の違反となるような行為をした者(第二十六条の規定の違反となるような行為をした者にあつては、第百十九条第一項第四号に該当する者を除く。)」

投稿者: 小島法律事務所

2023.08.04更新

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「縁石を傷つけた場合の措置」についての解説です。

 縁石については、国土交通省が公開している「歩道の一般的構造に関する基準」において、「歩道に設ける縁石の歩道等に対する高さは、歩行者の安全な通行を確保するため15㎝以上とし、交通安全対策上必要な場合や、橋又はトンネルの区間において当該構造物を保全するために必要な場合には25㎝まで高くすることができる。なお、植樹帯、並木又は柵が連続している等歩行者の安全な通行が確保できる場合には、必要に応じて5㎝まで低くすることができる」と定められています。
 すなわち、縁石の高さは基本的に15㎝以上であり、状況に応じて、5㎝から25㎝までの範囲で高さが異なる場合があります。

 このように、縁石はある程度の高さがあり、場合によっては予測以上の高さの場合があるため、運転席から縁石の高さを見誤ったり、縁石自体を見落としたりして、車を縁石に乗り上げたり、擦ったりして、縁石を傷つけたりする場合があります。
 縁石を傷つけた場合、事故の扱い(自損事故)になるため、道路交通法72条1項より、運転者には警察への報告義務が課されています。
 そのため、縁石を傷つけた場合に、警察への報告を怠ると、道路交通法違反として、「3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金」(道路交通法119条1項17号)に処される可能性があるので、注意が必要です。

(交通事故の場合の措置)
第72条1項 
「交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。同項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置(第七十五条の二十三第一項及び第三項において「交通事故発生日時等」という。)を報告しなければならない。」

投稿者: 小島法律事務所

2023.07.27更新

飯塚市の小島法律事務所より、2023年(令和5年)のお盆休みのお知らせです。

 誠に勝手ながら、当事務所は、令和5年8月11日(金)~8月15日(火)までをお盆休みとさせていただきます。

 ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご了承ください。

小島法律事務所

弁護士 小島邦夫

投稿者: 小島法律事務所

2023.07.21更新

 飯塚市内には、数多くの保育園・幼稚園があり、通勤中に、園児を送迎しているスクールバスをよく目にします。
 今回は、この送迎中のスクールバスにまつわる道路交通法等に関するご説明です。

 子どもを乗り降りさせている際、スクールバスがハザードランプを点滅させていることに気付く方も多いかと思います。
 この点、スクールバスは、子どもを乗降させるために停車しているときに、ハザードランプを点滅させることが義務付けられています(道路交通法施行令第26条の3)。

(通学通園バス)
第26条の3 
「法第七十一条第二号の三の政令で定める自動車は、車両の保安基準に関する規定で定めるところにより、専ら小学校、中学校、義務教育学校、特別支援学校、幼稚園、幼保連携型認定こども園、保育所又は児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第六条の三第十項に規定する小規模保育事業若しくは同条第十二項に規定する事業所内保育事業を行う施設(次項において「小学校等」という。)に通う児童、生徒又は幼児の運送を目的とする自動車である旨を表示しているものをいう。
2 通学通園バスは、小学校等の児童、生徒又は幼児の乗降のため停車しているときは、車両の保安基準に関する規定に定める非常点滅表示灯をつけなければならない。」

 次に、車で乗降中のハザードランプをスクールバスの横を通過する際、運転者には、通常の運転以上に何らかの義務が課されているのでしょうか。
 この点、車で乗降中のハザードランプをスクールバスの横を通過する際、運転者には、徐行して周囲の安全確認することが義務付けられています(道路交通法第71条2号の3)。
 これは、乗降中のスクールバスの陰からは、園児などの児童が思わぬ形で飛び出す可能性があるため、特に注意することを義務付けたものと思われます。

第七十一条 
「車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
一 ・・・
・・・
二の三 児童、幼児等の乗降のため、政令で定めるところにより停車している通学通園バス(専ら小学校、幼稚園等に通う児童、幼児等を運送するために使用する自動車で政令で定めるものをいう。)の側方を通過するときは、徐行して安全を確認すること。
・・・」

投稿者: 小島法律事務所

2023.07.07更新

 東海地方で、交通事故や車の故障でレッカー移動を業者に依頼した際に、インターネット検索で見つけた業者に法外な料金を請求されてトラブルになったケースが増えているとのことです。
 主な手口としては、交通事故でレッカー移動を当該業者に依頼した際に、当該業者は運搬後に数十万円を請求し、契約する保険会社からの支払いが滞ると、当事者に立替払いを求める可能性を示唆するとのことです(なお、特別な作業がなければ、県内運搬は数万円が多いです。)。また、当該業者は、エンジンの不具合、バッテリー上りやパンク修理の依頼も対応していることが多く、作業後に追加料と称して金額を上げ、拒むとキャンセル料を請求するとのことです。
 当該業者は、サイト内の「地域最安」「出張・見積もり費無料」などの一部内容を変え、現場で同意書や契約書を作成するなで、手口を巧妙化させて各地で当該行為を続けているとのことです。
 この点、上記手口は、主にインターネットを利用したものであることから、当該トラブルは、東海地方に限らず、飯塚市を含む筑豊地区でも起こり得ます。
 事故直後は動揺してしまい、レッカー業者の指示通り動いてしまうことも十分考えられます。そのため、レッカー業者を必要とする際には、加入している自動車保険会社やディーラーなどの知り合いに連絡して相談するなど、対策を立てておく必要があります。

 

投稿者: 小島法律事務所

前へ 前へ

entryの検索

カテゴリ

判例のご紹介 交通事故に遭ってからのご相談の流れ
弁護士に相談するメリット 交通事故の相談に対する6つの安心
弁護士費用について 事務所紹介 オフィシャルサイト