違反しがちな道路交通法違反(自転車の一時停止)
最近、免許更新で自転車と自動車との衝突事故に関する講習を受ける機会がありました。その講習において、自転車運転に関して違反しがちな道路交通法の説明を受けましたので、今回は、自転車運転に関する違反しがちな道路交通法「自転車の一時停止」について、解説します。
自動車を運転している方からすると、交差点等では、「止まれ」や「一時停止」の道路標識をよく目にするかと思います。
また、一時停止をせずに飛び出してくる自転車も少なくないことから、この一時停止の道路標識の指示について、自転車は一時停止をしなければならないのかと、疑問に思った方もいるかと思います。
この点、一時停止の道路標識に従わず、一時停止をしなかった自転車運転者は、以下のとおり、道路交通法43条違反となります。
道路交通法43条
「車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあつては、交差点の直前)で一時停止しなければならない。この場合において、当該車両等は、第三十六条第二項の規定に該当する場合のほか、交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。」
当該条文のとおり、道路交通法は、「車両等」に対し、道路標識に従い、一時停止する義務を課しています。
また、この「車両等」については、道路交通法2条第1項8号で、下記のとおり定められています。
道路交通法2条1項
「八 車両 自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスをいう。」
そして、この「軽車両」については、道路交通法2条1項11号で、下記のとおり定められています。
道路交通法2条1項
「十一 軽車両 次に掲げるものであつて、移動用小型車、身体障害者用の車及び歩行補助車等以外のもの(遠隔操作(車から離れた場所から当該車に電気通信技術を用いて指令を与えることにより当該車の操作をすること(当該操作をする車に備えられた衝突を防止するために自動的に当該車の通行を制御する装置を使用する場合を含む。)をいう。以下同じ。)により通行させることができるものを除く。)をいう。
イ 自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽けん引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含み、小児用の車(小児が用いる小型の車であつて、歩きながら用いるもの以外のものをいう。次号及び第三項第一号において同じ。)を除く。)
ロ 原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であつて、車体の大きさ及び構造を勘案してイに準ずるものとして内閣府令で定めるもの」
したがって、一時停止の道路標識に従わず、一時停止をしなかった自転車運転者は、以下のとおり、道路交通法43条違反となります。
そして、道路交通法43条に違反した場合、3カ月以下の懲役又は5万円以下の罰金の処分を受ける可能性があります(第119条1項5号)。
第109条1項
「次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
五 第三十条(追越しを禁止する場所)、第三十三条(踏切の通過)第一項若しくは第二項、第三十八条(横断歩道等における歩行者等の優先)、第四十二条(徐行すべき場所)又は第四十三条(指定場所における一時停止)の規定の違反となるような行為をした者」