2015.05.26更新

生保会社社長女子Xは、平成18年12月18日、乗用車を運転中、Y運転の乗用車に追突され(第1事故)、脳脊髄液減少症(脳脊髄液漏)を発症、その約1年5か月後にZ運転の乗用車に追突され(第2事故)、脳脊髄液減少症が増悪し、12級後遺障害が残存したとする(自賠責非該当)事案につき、起立性頭痛を否認し、ブラッドパッチの改善効果も否認し、結論として、脊髄液減少症については否認しました。なお、本件では、第1事故と第2事故の関係については、民法719条1項前段の共同不法行為に該当しないとされました(福岡高等裁判所平成25年10月10日・自動車保険ジャーナル26頁)。

<弁護士のコメント>

脳脊髄液減少症の要件を充足しないと判断しないとした裁判例です。本件のポイントとしては、診療録に起立性頭痛についての記載があり、医師がブラッドパッチ治療による改善を明確に述べていたという点がありますが、裁判所は、どちらについても、その実態を具体的事実から判断し、否認しました。

<争点>

・脳脊髄液減少症(起立性頭痛・RIの膀胱内の早期集積、RI脳槽シンチ画像、ブラッドパッチ)

・共同不法行為

・訴訟提起前の保険会社による和解提示の撤回

投稿者: 小島法律事務所

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