2015.06.26更新

他人所有の軽四輪貨物車を被告が運転中に起こした事故は、被告の夫が契約するアルファードの自動車保険契約における他車運転危険担保特約「他車」に該当するかについて、被告は年に数回程度本件車両を運転することはあったものの、日常的にはアルファードを運転していたことから、被告が本件車両を常時運転していたものと認められないとして「他車」と認定しました(東京地方裁判所平成25年10月3日判決・自動車保険ジャーナル)。

<弁護士のコメント>

本件では、被告車両が無保険であったことから、①原告加入の保険会社に対する無保険車事故傷害特約に基づく請求及び②被告の夫に対する他車運転危険担保特約に基づく請求をしていました。②が認容されたことで被告車は「無保険車」とはいえないとして①は棄却されています。また、本件では、高次脳機能障害1級の後遺障害を残す8歳男子原告について、入院中の近親者付添費として日額6500円、退院後症状固定まで1万円を認定しています。また、近親者(母)の介護を必要とするとして、将来介護費として、原告母が67歳に達するまで1日あたり1万円の介護費用を認め、その後原告の平均余命まで1万5000円の将来介護費用を認定しています。

<争点>

・他車運転危険担保特約

・将来介護費

投稿者: 小島法律事務所

2015.06.15更新

事故後に加害者が破産開始決定(同時廃止決定)を受けた事案について、被害者の損害賠償債権は、非免責債権(破産法253条1項3号)にあたらないとしました。また、事故車両は加害者自らの所有であると認定して、他車運転特約も免責であるとして、請求を棄却しました(大阪地方裁判所平成25年6月13日判決・自動車保険ジャーナル1912号143頁)。

<弁護士のコメント>

破産法253条1項3号は、「破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権」を非免責債権としています。非免責債権に該当するとなれば、たとえ加害者が免責決定を受けていようとも加害者に対する請求ができることになります。本件では、「重過失」の意義について、ほとんど故意に等しいような極めて著しい注意欠如、あるいは運転態様自体が極めて危険といえる場合に限定されるとして、単に過失割合が大きいことや一方的過失であるというだけでは、同条に該当しないとしました。なお、被害者は、加害車両の任意保険会社に対して、直接に他車運転危険特約に基づく請求をしていましたが、他車性が否認されたことで請求が棄却されています。

<争点>

・破産免責

・他車運転危険特約

投稿者: 小島法律事務所

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