初度登録平成12年12月の原告車両ランボルギーニ・ディアブロが被告車両に接触され、右フロントフェンダー等が割損したことから、修理費用約306万円を請求する事案について、「原告車の右フロントフェンダー中央部の損傷には割損があるが、その亀裂は大きくはない。したがって、構造上に問題があるダメージと言い難く、積層作業で足りると考えて問題はないと認められる。加えて、保険会社と修理工場等との修理協定は、当該修理が応急修理の状態であれば、締結されないと考えられるところ、原告車については、被告の保険会社とB会社との間で修理協定がされているから、丙川も本件修理は応急修理ではなく本修理として考えた上で修理をしていたと解される」として、被告の主張に従い、120万7500円を修理費用として認定しました。
また、評価損については「原告車は、新車価格が3700万円という高級外車であり、しかも、生産台数が80台の限定車であったことなどからすれば、原告車には、本件事故による価値の下落が認められ、評価損が発生しているといえる。もっとも、本件事故後である平成22年9月時点での、原告車の走行距離は約1万5000キロメートルであり、一定程度の走行距離が認められること、原告車の修理箇所は、躯体などの構造部分に及んでいないことなどを踏まえ、原告車の評価損は、修理費用の約3割に当たる36万円と解するのが相当である。」としました(大阪地方裁判所平成25年6月14日判決・自動車保険ジャーナル1910号164頁)。
<弁護士のコメント>
高級外国車の評価損について判断した裁判例です。損傷箇所自体は骨格と関係ないですし、初度登録から10年経過という事情があったにもかかわらず、修理費用の30%の評価損が認定されています。
<争点>
・修理費用(過剰修理)
・評価損