2015.05.23更新

自賠責2級1号高次脳機能障害を残す69歳男子原告の症状固定後の将来介護費について「原告の懸命な努力により、症状固定後、身体的機能は相当な回復をみせ、自動車や自転車の運転が可能で、1人でゴルフ練習場に行けるなど、一定の社会的行動ができるに至っている。しかしながら、特定のゴルフ練習場に行くことができるようになったことをもって、高次脳機能障害による記憶障害や感情コントロール低下、対人技能拙劣、固執性等の症状が完全に喪失したとはいえず、原告や花子の供述等に照らすと、なお、日常生活における声かけなど、随時看視や見守りを要する状況にあると考えられる。そこで、原告の症状に照らし日額2000円の将来介護費を認める」と認定しました。

また、後遺障害逸失利益については、原告が代表取締役として1200万円の年収を得ていたとの原告の主張を認めなかった一方で「本件事故の頃にも就労意欲を有し、年齢や体調等をみても就労の蓋然性はあったといえる。そこで、基礎収入は、平成23年賃金センサス男・学歴計・年齢別(70歳~)平均賃金379万200円を採用する」とし、7年間100%の労働能力喪失を認めました。

<弁護士のコメント>

自賠責2級1号の高次脳機能障害を残す69歳男性とはいっても、本件では身体的機能について相当な回復を見せていることを考慮して、日額2000円の将来介護費が認定されました。なお、赤い本では近親者付添人による将来介護費を日額8000円としていることからすると、本件の認定額は低額といえます。

<争点>

・将来介護費

・後遺障害逸失利益

・損益相殺の方法(最高裁判所平成16年12月20日判決>

投稿者: 小島法律事務所

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