2015.06.08更新

バイクを運転中に自動車と衝突し、CRPSの診断を受けた原告(自賠責12級13号。ただし疼痛ではない。)について、原告は後遺障害5級相当であると主張しましたが、裁判所は、症状固定時における労働能力喪失率は12級13号事案より高いとしても、症状永続の蓋然性に疑問があり、67歳時には労働能力喪失率が14%を大きく下回り得ることを織り込んで、「全体を平準化」して67歳まで14%の労働能力喪失率を認めました(大阪地方裁判所平成25年7月11日判決・自動車保険ジャーナル1912号38頁)。

<弁護士のコメント>

本件の裁判所の判断は、2つの特徴があります。まず、原告の損害の算定を考える上で、原告がCRPSかどうかの二者択一では判断していない点です。次に、具体的な損害の判断において、後遺障害逸失利益を算定する際に、全体の平準化という視点で判断している点です。最初の点については、そもそも損害の判断は、傷病名や自賠責の判断にとらわれない法的な判断であることからすれば、むしろ当然の態度と考えられます。もっとも、2つ目の点については、非常にユニークで今後、同様の判断が示される事案が登場するか注目していきたいと思います(当職が知らないだけで以前にも同じような判断が示された事案があったかもしれませんんが。)。

<争点>

・後遺障害(CRPS)

・休業損害(個人事業主)

・意見書作成費用の相当因果関係(否定)

投稿者: 小島法律事務所

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