2020.02.07更新

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「自転車の交通ルール」についての解説です。

 日ごろ、自転車と歩行者との事故が話題になることがあります。中には、歩行者側が死亡または重傷を負うようなケースもあり、その事故の原因の多くには、自転車側の交通ルール違反があると考えられます。 

 そこで以下では、自転車の令和2年現在の交通ルールについて解説します。

 まず、自転車は軽車両(道路交通法(以下、法令名は省略します)2条11号)という車両(2条8号)の一種ですから、歩道と車道が分離されている区画を走行する際には、原則的に車道を走らなければなりません(17条1項本文)。 

 その際には、進行方向から見て左の車線を、左端に寄って進行する必要があり(18条1項)、車用の信号に従う必要があります(7条)。 

 つまり、イメージは原付に近いものとなります(ただし、自転車は車用の信号に従って右折することはできないなど(道交法施行令2条)、原付とは異なる点もあります)。

 一方で例外的に、自転車が歩道を走行できる場合があります。それは①標識などにより許されている場合②運転者が幼児・児童または老人である場合、そして、③安全のためにやむを得ない場合です(63条の4第1項各号)。この③の場合ですが、運転者が危ないと思う程度では足りず、歩道を通行することがやむを得ないと客観的に認められる必要があり、なおかつ、一時的な通行のみ可能と解されています(道路交通執務研究会編「執務資料-道路交通法解説(17訂版)」東京法令出版) 。 

 そしてこれら①~③の場合に歩道を走行する場合でも、自転車は歩道内で進行方向に対し車道寄りを徐行しなければならず(63条の4第2項前段)、歩行者の通行を妨げる場合には、一時停止しなければなりません(同項後段)。 

 このように、自転車の通行は原則車道、例外歩道となっており、歩道を走行できる場合は大きく制限されています。

 では、たとえば車通りが少ない道路で、歩行者が歩道の真ん中を歩いていた時、背中部分に自転車が後ろから衝突してきたという事例の場合にどのような違反となるかを検討してみます。

 まず、事例では交通量は少なく、自転車が歩道をあえて通行しなければならない客観的な危険性はありませんから、自転車が歩道を走行していたことは通行区分違反です(17条1項)。 

 さらに、事例では自転車は歩行者の背中に衝突していますから、歩行者保護にかけていたことは明らかです。よって、歩道内での一時停止義務違反(63条の4第2項後段)はもちろん、安全運転義務違反にも該当します(70条)。 

 つまり、これだけ見ても、少なくとも3つの違反を行っていることになるのです。

 このように、自転車は歩行者の通行区画に立ち入ることもある一方、歩行者との事故も発生しやすく、中には前述のとおり死亡・傷害を伴う重大な事故も生じえます。また従前に比べて、自転車の運転マナーが問題視され、社会的にも注目されていますから、自転車を運転する際には、交通ルールを守り、安全な運転を心がけましょう。

投稿者: 小島法律事務所

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