2021.08.18更新

 今回は、飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「評価損」についての解説です。

【評価損とは】
 評価損とは、損害車両に対して十分な修理がなされた場合であっても、修理後の車両価格が、事故前の価格を下回り、減価することです。

 裁判例では、減価される主な事情としては以下の事情を挙げています(東京地裁昭和61年4月25日判決・判時1193号116頁・判タ605号96頁)。

①修理技術上の限界から、顕在的に、自動車の性能、外観等が、事故前より低下すること
②事故による衝撃のため、車体、各種部品等に負担がかかり、修理後間もなくは不具合がなくとも経年的に不具合の発生することが起こりやすくなること
③修理の後も隠れた損傷があるかもしれないとの懸念が残ること
④事故にあったということで縁起が悪いということで嫌われる傾向にあること

 また、評価損は技術上の評価損と取引上の評価損に分けられます。
 技術上の評価損とは、車両の修理をしても完全な原状回復ができず、機能や外観に何らかの欠損が存在していることにより生じた評価損のことをいいます。
 技術上の評価損については、これが損害賠償の対象となり得ることについて、ほぼ争いはないものといわれています。

 取引上の評価損とは、車両の修理をして原状回復され、欠陥が残存していないときでも、中古車市場において価格が低下した場合の評価損を指すものとされています。
 取引上の評価損については、これが損害賠償の対象となり得るかについて、争いがあります。

 

【評価損の算定方法】
 評価損については、初度登録からの期間、走行距離、修理の程度、車種等を考慮して認定します。
 評価損の算定方法としては、大きく分けて以下の4つが考えられます。
①修理費基準
 修理費基準とは、裁判所が認容した修理費の数十パーセントを評価損とする方法です。
②時価基準
 時価基準とは、裁判所が認容した被害車両の事故当時の時価の数十パーセントを評価損とする方法です。
 なお、妥当な時価算出が難しいことから、採用する裁判例は少ないですが、被害車両が初度登録後数か月しか経過していない様な極端に新しい車両の場合に、時価基準が用いられることがあります。
③差額基準
 差額基準とは、事故直前の車両売却価格と修理後の車両売却価格の差額を評価損とする方法です。
④財団法人日本自動車査定協会等の査定等を考慮して評価損を算定する方法。

 このように、算定方法としては4つの方法がありますが、裁判例の多くは①修理費基準を用いており、評価損の額は修理費を基準にして3割程度を上限として認めているものが多いです。

投稿者: 小島法律事務所

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