2017.05.10更新

飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による交通事故知識の解説です。

交通事故の物損事故の場合、損害額を確定する必要があり、各保険会社のアジャスターが、いわゆる損害レポート(各社によって名称は異なります。)を作成しています。その中で「入力方向」についての言及があることがあり、これがわりと混乱を招くことがあります。入力方向は、時計の時間(12時まで)で示され、たとえば「1時方向」などと記載されています。これは、「1時方向から相手の車がぶつかってきたという意味」かというと、それほど単純ではありません。そもそも入力方向について解説した書籍はあまりないのですが、「アジャスターマニュアル 乗用車編」(日本損害保険協会)によれば、「走行している2台の車両が衝突すると、お互いに力をおよぼし合って、入力の方向、力の大きさ、作用点が決定され、これらは、それぞれの損傷車両にベクトル(力の作用線)をもって表示することができる」「そして描かれるベクトルは、2つの力によって発生した合力である。」と記載されています。つまり、入力方向とは、どこから相手の車が衝突してきたかを示すのではなく、両当事車両の衝突によって発生した合力が矢印で表現されたものなのです。この点についてわかっている弁護士や裁判官がどれほどいるかというと、極めて少数ではないかと思います。そこで、当事務所では、入力方向の説明が必要になった場合、専門の鑑定やアジャスターの意見書を添付して説明することもあります。

投稿者: 小島法律事務所

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