2019.11.15更新

 飯塚市の小島法律事務所から、弁護士による「高速道路上での一時停止と追突の過失割合」について解説します。

 最近、茨城の常磐自動車道の事件や、神奈川の東名高速道での4人死傷の事件など、あおり運転によって高速道路上で被害車両を停車させるような危険な事件が後を絶ちません。東名高速道での事件は、後続車が停止していた被害車両に追突し、被害車両の運転者らが死傷するという重大な結果が生じています。

 では、高速道路上に停車している車両に追突した場合、追突車両と被追突車両の民事上の過失割合はどうなるのでしょうか。

 まず、道路交通法によると「危険を防止するためにやむを得ない場合を除き」急ブレーキが禁止され(法24条)、さらに高速道路上では、「危険を防止するために一時停止する場合のほか」駐停車が禁止されています(法75条の8第1項本文)。

 この点から、高速道路上での駐停車中の車両に追突する事故が発生した場合、被追突車両にその駐停車について落度がある場合(例えば、単独事故やガス欠など)、過失割合は、被追突車両:追突車両=40:60が基本となると考えられています(赤い本上巻(基準編)2019年版・370頁 図高〔10〕基本①)

一方で、前述のようにあおり運転の結果、自車の前方に車両が割り込み、停車させられた結果追突事故が発生したような場合では、被追突車両の駐停車は「危険を防止するために一時停止する場合」に該当するものといえますから、過失割合は被追突車両:追突車両=0:100になる可能性が高いと考えられます(同 基本⑨)。 

ただし、冒頭の東名高速道での事件は、あおり運転を行った車両と追突した車両は別の車両です。追突した車両の前方不注意が前提にあるとしても、あおり運転を行った運転者は、民事上の責任は負わないのでしょうか。

 この点については、追突事故が発生したそもそもの原因は、あおり運転によって高速道路上に車両を駐停車させたことであると考えられますから、その行為自体が事故を誘発した不法行為であると考え、その責任を追及することが考えられます。あるいは、追突した車両と共同して事故を生じさせたとして、両車両が共同して行った共同不法行為に該当すると考えることも可能でしょう。 

 このように、あおり運転を行った車両が直接追突していない場合でも、その民事上の責任を追及することはできます。ただし、以上はあくまでもいちおうの目安ですから、状況によってさまざまな結論に至る可能性があります。

投稿者: 小島法律事務所

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