2021.02.12更新

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「給与所得者の休業損害 その2 日雇労働者とアルバイトの場合」についての解説です。

 前回に続き、給与所得者の休業損害について解説いたします。
 前回の『給与所得者の休業損害その1』を見て頂くと、より分かりやすくなります。

【給与所得者の休業損害の計算方法】
 休業損害の計算方法としては、事故前の収入日額等の基礎収入に休業期間を乗じて算定する方法があります。
 この計算方法の場合は、実務上、下記の3つの考え方のいずれかが用いられます。
①休日を含んだ一定期間の平均日額を基礎収入とし、これに休日を含む休業期間を乗じる方法
②休日を含まない実労働日1日当たりの平均額を基礎収入とし、これに実際に休業した日数を乗じる方法
③休日を含んだ一定期間の平均日額を基礎収入とし、実際に休業した日数を乗じる方法

【給与所得者が就労しながら一定の頻度で通院を行っている場合】
 日雇労働者やアルバイトの方々は、労働契約上、実際に労働した時間に応じた金額の給与が支給されているはずなので、適切な証拠があれば、事故前に実際に労働した単位時間(実労働日1日)当たりの基礎収入を算定することが可能と思われます。

 そして、アルバイトで給与を得ている方の多くは、労働契約上、各週・月のどの日に勤務するかが概ね決まっていると思われます。その様な方々が事故に遭わなかった場合、事故に遭われた方は、どの日に労働していたかを認定することができると思われます。そのため、②の計算方法で休業損害を算定することができます。

 ですから、このような場合に被害者側が②の計算方法で算定した休業損害を請求しているにも関わらず、③の計算方法を採用することは、休業損害を過少に認定することになりますので、適切とはいえないと考えられます。

 他方で、日雇労働者の方々は、通常、短期の契約を予定していることが多いと思われます。そして、その様な方々は、事故の発生の時点で、将来どの日に労働するかが決まっていないことが多いと思われます。また、アルバイトの方々の中にも、労働契約上、各週・月のどの日のどの時間に勤務するかかが決まっていない方もいると思われます。

 この様な形態の給与所得者の方々については、証拠上、事故に遭わなかった場合、どの日に労働をしていたかを認定することが困難であるため、②の計算方法で休業損害を算定することが難しいとされています。

 しかし、この場合でも、事故に遭わなかった場合と比較して、通院等によって、その分の労働の機会を失い、現実の収入が減ったとみることができますので、休日を含んだ一定期間の給与の平均日額を基礎収入とし、これに通院日等を乗じる方法(③の計算方法)で休業損害を算定することができると考えられます。

【参照書籍:『損害賠償額算定基準下巻(講演録編)2018(平成30)』39、40頁】

投稿者: 小島法律事務所

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