2021.03.19更新

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「整骨院等での施術費用の損害賠償請求」についての解説です。

【整骨院等での施術の問題点】
 交通事故に遭った場合、被害者は、加害者に対して、治療関係費を含めて、損害賠償請求を行います。
 交通事故に遭われた方の中には、病院での治療の他に、整骨院等で施術を受けられる方もいるかと思われます。
 飯塚市でも、近年、交通事故に対応していることを看板等に記載した整骨院等が増えている気がします。
 しかし、実務上、整骨院等での施術の費用が、治療関係費として、交通事故と相当因果関係のある損害と認められるか問題となることがあります。

 

【相当因果関係が認められる要件】
 この点、整骨院等における施術は医師による治療とは異なる点が多くある上、施術内容も個々人で様々であるため、実務上、整骨院等における施術の費用は、症状の内容・程度に照らして、症状固定までに行われた必要かつ相当な治療行為の費用かとの観点から、その認否が判断されています。
 実務上は、以下の7つ要件で考えられています。

1 施術が症状固定までに行われたものであること

 ①施術が症状固定までに行われたものであること

 ②施術録に記載された施術が現に行われたこと

 

2 必要性について

 ③施術の必要性

 施術を行うことが許される受傷内容であること、従来の医療手段では治療目的を果たすことが期待できず、医療に代えてこれらの施術を行うことが適当であること等から、当該施術を行うことが当該受傷内容に必要か判断されます。

 ④施術の有効性

 施術を行ったことで、具体的な症状緩和の効果が生じているか判断されます。

 

3 相当性について

 ⑤施術内容の合理性

 施術が、受傷内容と症状にあったものか判断されます。そのため、施術期間の後半になって、施術の回数が増えるといった、過剰・濃厚に行われている場合には、この要件が否定されることになります。

 ⑥施術期間の相当性

 受傷の内容、治療経過、疼痛の内容、施術の内容及びその効果の程度などから、施術を継続する期間が相当であるか判断されます。

 ⑦施術費の相当性

 施術の報酬金額が社会一般の水準と比較して妥当なものか判断されます。

 

【医師の指示の有無について】
 実務上、医師が患者に対して整骨院での施術を受けるように指示している場合は、医師が患者の治療方法の1つとして柔道整復師の施術を積極的に選択したことを意味するので、特段の事情がない限り、上記必要性にあたる③④があることを強くうかがわせる事情となると考えられています。なお、あくまで、医師の指示は、必要性に関する事情ですので、医師の指示があったとしても、相当性に対応する⑤⑥⑦が認められなければ、施術費の全額は交通事故による損害として認められません。
 一方で、医師の指示がなかったとしても、医師の指示は、必要性をうかがわせる事情に過ぎませんので、当該施術費に①から⑦の要件が認められれば、施術費が交通事故による損害として認められます。

参照:『交通事故による損害賠償の諸問題Ⅲ』
   『損害賠償認定額算定基準 下巻(講演録編)2018』

投稿者: 小島法律事務所

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