2021.04.16更新

 今回は、飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「後遺障害逸失利益」についての解説です

【後遺障害逸失利益とは】

 交通事故で後遺障害が残ってしまった場合に、後遺障害により労働能力が一定程度制限されることがあります。
 労働能力が制限されると、後遺障害がない健康体で働き続けた場合と比べて将来受け取ることができた収入が減少してしまいます。
 この様に、後遺障害によって減少した利益を後遺障害逸失利益といいます。

【後遺障害逸失利益の算定方法】

1 後遺障害逸失利益の算定方法

 後遺障害逸失利益は、

 基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応したライプニッツ係数


 で算定されます。

2 基礎収入

 逸失利益選定の基礎となる収入は、原則として事故前の現実の収入を基礎とします。
 ですが、将来、現実収入額以上の収入を得られる立証があれば、その金額が基礎収入となります。
 なお、現実の収入が低く、賃金センサスの平均を下回っている場合には、将来、平均賃金を得られる蓋然性があれば、平均賃金を基礎収入として算定することもあります。

3 労働能力喪失率

 労働能力の低下の程度については、労働省労働基準局長通牒の別表労働能力喪失率表が参考にされます。そして、被害者の職業、年齢、性別、後遺症の部位、程度、事故前後の稼働状況等を総合的に評価して評価されます。

4 労働能力期間に対応したライプニッツ係数

(1)ライプニッツ係数について

 後遺障害逸失利益は、将来、その年で得る予定の金銭を、一括前払いで受け取るものです。そして、金銭は、1年後と10年後では、その価値が異なります。そして、後遺障害逸失利益を請求する場合には、将来の利息も同時に受け取ることになります。そのため、この利息を控除する必要があるので、この控除のことを中間利息控除といいます。

 そして、労働能力喪失期間の中間利息を控除したものを数値化したものが、ライプニッツ係数となります。

(2)労働能力喪失期間について

 労働能力喪失期間の始期は、症状固定日になります。未就労者の場合には、原則として、始期は、18歳となります。なお、大学卒業を前提とする場合には、始期は、大学卒業時とされています。
 一方で、労働能力喪失期間の終期は、原則として67歳とされています。

 また、症状固定時の年齢が67歳をこえている人の場合には、原則として簡易生命表の平均余命の2分の1が労働喪失期間となります。

 症状固定時から67歳までの年数が、簡易生命表の平均余命の2分の1より短くなる人の場合には、原則として平均余命の2分の1が労働能力喪失期間となります。

 なお、労働能力喪失期間の終期は、職業、地位、健康状態、能力等により原則と異なった判断がなされる場合もあります。

投稿者: 小島法律事務所

判例のご紹介 交通事故に遭ってからのご相談の流れ
弁護士に相談するメリット 交通事故の相談に対する6つの安心
弁護士費用について 事務所紹介 オフィシャルサイト