2021.07.21更新

 今回は、飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「後遺障害③ ~併合の基本ルールの例外~」についての解説です。

 後遺障害の認定内容については、自賠責保険会社が計算した提示を受けとることになりますので、本人や弁護士が後遺障害における併合の計算を行うことはほとんどありませんが、併合については、以下のルールの修正が存在します。

 

【障害の序列を乱す場合】

 前回の説明のとおり、系列の異なる複数の後遺障害が存在する場合、併合により後遺障害等級が繰り上げられることになります。
しかし、併合して等級が繰り上げられた結果、障害の序列を乱すことになる場合があります。この場合、併合の基本ルールのとおりに、後遺障害等級は繰り上げられません。
 例えば、右上肢を肘関節以上で失った障害と左上肢を手関節以上で失った場合があります。
 この場合、右上肢の障害は後遺障害等級4級4号に該当し、左上肢の障害は後遺障害等級5級4号に該当しますので、併合の基本ルールに単純に従うと併合1級となります。
 この点、後遺障害等級1級における両上肢に関わる障害は、後遺障害等級1級3号の「両上肢をひじ関節以上で失ったもの」になりますが、例における左上肢の障害は手関節以上で失ったものであり、障害等級1級3号の状態に達しません。
 そのため、この場合の等級は併合2級とします。
 この様に、併合の基本ルールに従うことで障害の序列を乱す場合には、併合のルールが修正されることになります。

 

【組合せ等級】

 系列を異にする後遺障害が複数存在する場合、併合の基本ルールに従えば、障害等級が繰り上がりそうですが、後遺障害等級上、特定の後遺障害の組合せについては、等級が定められています。
 そのため、後遺障害等級表に組合せが定められている場合には、定められた後遺障害等級に該当することになります。
 例えば、右下肢を膝関節以上で失い(4級5号)、左下肢もひざ関節以上で失った(4級5号)場合では、併合1級ではなく、両下肢をひざ関節以上で失ったものとして、後遺障害等級1級5号に該当します。

 

【1つの障害に複数の評価が存在する場合】

 複数の後遺障害が存在する場合でも、1つの障害が観察方法によって、2つ以上の後遺障害等級に該当すると考えられる場合があります。
 この場合は、上位等級に該当することになります。
 例えば、右大腿骨に変形を残した(12級8号)結果、右大腿骨を1㎝短縮した(13級8号)場合では、併合11級とはならず、上位等級である後遺障害等級12級8号に該当することになります。

 

【1つの障害の他の障害が通常は派生する関係にあるとき】

 複数の後遺障害が存在する場合でも、1つの後遺障害が他の後遺障害の通常派生する障害にあたる関係にあるときは、併合はせず、上位等級に該当することになります。
 例えば、1上肢に偽関節を残す(8級8号)とともに、そこに頑固な神経症状を残した(12級13号)場合には、併合7級とはならず、上位等級である後遺障害等級8級8号に該当することになります。

投稿者: 小島法律事務所

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