2021.08.13更新

 今回は、飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「後遺障害④ ~加重~」についての解説です。

 

【加重とは】
 「加重」とは、交通事故により新たに後遺障害が加わったことによって、障害等級表上、新たに生じた障害が事故前の既存の障害より重くなったことをいいます。
 この点、注意していただきたいのは、既存の障害が、自然的経過や交通事故と関係ない原因、例えば疾病や交通事故以外の災害等で重くなっても、ここでいう加重にはあたりません。
 また、同一部位に新たな障害が加わっても障害等級表上重くならなければ、加重とはなりません。

 

【加重の場合の取り扱い】

1 規定
 自動車損害賠償保障法施行令2条2項では、加重における損害の取り扱いについて、「既に後遺障害のある者が傷害を受けたことによつて同一部位について後遺障害の程度を加重した場合における当該後遺障害による損害については、当該後遺障害の該当する別表第一又は別表第二に定める等級に応ずるこれらの表に定める金額から、既にあつた後遺障害の該当するこれらの表に定める等級に応ずるこれらの表に定める金額を控除した金額とする。」と定めています。

2 「既に後遺障害のある」とは
 「既に後遺障害のある」とは、既存の後遺障害が存在することをいい、既にあった後遺障害の原因が交通事故か否か、後天性のものか否かは問われません。

3 「同一部位」とは
 「同一部位」とは、同一の系列の範囲内のものをいいます(系列について)。
 ただし、系列が異なっても、欠損障害と機能の全部喪失は、部位ごとで見ると、最上位の等級であることから、これらの障害が後から加わった場合には、同一部位の加重として取り扱われます。
 例えば、右上肢の変形障害(系列番号19)があったところに、後から右上肢をひじ関節以上で欠損(系列番号18)が生じたときは、系列は異なるが同一部位であり、加重として取り扱われます。

4 加重の具体例
 先ほどの右上肢の変形障害(系列番号19)があったところに、後から右上肢をひじ関節以上で欠損(系列番号18)が生じた場合を例に説明します。
 後遺障害等級表上、右上肢の変形障害は、長管骨に変形を残すもの(12級8号)に該当し、右上肢をひじ関節以上で欠損は、1上肢をひじ関節以上で失ったもの(4級4号)に該当するので、自賠責の保険金額では、保険金額1889万円(4級4号)から、保険金額224万円(12級8号)を控除した1665万円の範囲で支払われることになります。

投稿者: 小島法律事務所

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