2021.11.04更新

今回は、飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「刑事記録の取得の方法」についての解説です。

1 交通事故証明書の取得方法
(1)交通事故が発生後、警察に交通事故の届出を行った場合、交通事故証明書が作成されます。
(2)そして、最寄りの警察署に行って「交通事故証明書申請用紙」を受け取り、必要事項を記入して、自動車安全運転センターに提出することで、交通事故証明書を取得することができます。
 なお、交通事故証明書の取得申請は、自動車安全運転センターのホームページにアクセスし、インターネット上でも行うことができます。

2 刑事記録の入手
(1)刑事記録について
 物損事故の場合には、警察は物件事故報告書を作成します。一方で、人身事故の場合、警察は実況見分調書を作成します。
 一般的に、物件事故報告書の事故状況に関する内容は簡略な記載であるのに対して、実況見分調書の事故状況に関する内容は詳細に記載されてます。

(2)物件事故報告書の取得
 物損事故の場合は,過失運転致傷罪等による送致がなされていないのが通例なので、管轄の警察署に対して、物件事故報告書の取り付けを行います。
 しかし、警察署は、民事訴訟における文書送付嘱託や弁護士会照会でなければ、取り付けに応じない運用を行っているとされています。 なお、物件事故報告書を取得するにあたって、対象となる事故を特定する必要があることから、必ず、取り付けの際には、交通事故証明書を提出します。

(3)実況見分調書の取得
 捜査資料は、当該事故が起訴された場合には判決確定後に、不起訴の場合には不起訴処分後に、当該事故を管轄する検察庁から取り付けることができます。
 不起訴の場合、捜査資料全てではなく、捜査資料の内、不起訴記録のみ、謄写請求することができます。
 そして、この不起訴記録については、実況見分調書等の客観的証拠は謄写が認められていますが、供述調書等の客観的証拠以外のものについては、原則として謄写は認められていません。
 以下では、交通事故が不起訴の場合の実況見分調書の取り付けについて説明します。


①刑事事件は、警察が捜査資料をそろえた後、検察庁に送致します(いわゆる書類送検)。
 そのため、まず、警察署に対して、交通事故証明書を添付して、送致先・送致番号・送致日に関して照会を行い、送致の事実、送致先の検察庁その他必要な情報を確認します。


②さらに、警察署から送致先・送致番号・送致日についての回答を得た後、送致先の検察に対して、送致番号を添付して、処分の内容と検番(検察における整理番号)に関して照会を行い、余分結果と処分結果を確認します。


③そして、検察庁から、処分結果と検番の回答を得た後、検番と処分内容等を添付して、当該検察庁に対して、当該事件の不起訴記録の閲覧・謄写の可否を確認し、閲覧・謄写が可能な場合、当該検察庁で実況見分調書等の不起訴記録を謄写し、実況見分調書等の不起訴記録を取得します。

投稿者: 小島法律事務所

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