2022.02.18更新

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「交通事故の土地管轄」の解説です。
 管轄は、土地管轄、事物管轄、職分管轄の3種類あります。今回は、土地管轄について説明します。
 土地管轄とは、全国各地にある裁判所のうち、地域に着目して当該事件を取り扱うことができる権限を有しているかの基準のことをいいます。
 土地管轄は、事件の性質に応じて、民事訴訟法に定められています。なお、土地管轄は、1つだけではないことがあります。
 土地管轄が複数ある場合には、訴訟を提起する者が、土地管轄を有する裁判所を選んで、訴訟を提起することができます。
 以下では、飯塚市在住のAさんが、直方市内で、信号停車中、田川市在住のBさんが運転する車に後ろから追突されて、怪我を負い、AさんがBさんに対して200万円の損害賠償請求を行っている場合を例に土地管轄を説明します。

 まず、民事訴訟法4条1項は、「訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する」と定めています。そして、同条2項は、「人の普通裁判籍は、住所により」「定まる」と定めています。
 したがって、当該交通事故の管轄としては、Bさんの住所地である田川市を管轄する福岡地方裁判所田川支部が管轄を有することになります。

 次に、交通事故に遭った場合、被害者は加害者に対して損害賠償請求訴訟を行います。損害賠償請求訴訟は、「財産権上の訴え」になります。そして、民事訴訟法5条1号は、財産権上の訴えについての管轄を「義務履行地」と定めています。この義務履行地とは債務者が債権者に対して弁済を行う場所のことであり、弁済を行う場所は、債権者の住所となります(民法484条1項)。
 したがって、損害賠償請求訴訟の場合、請求者が債権者となりますので、当該交通事故の管轄としては、請求者であるAさんの住所地である飯塚市を管轄する福岡地方裁判所飯塚支部が管轄を有することになります。

 最後に、交通事故は不法行為になりますので、交通事故に関する損害賠償請求訴訟は、「不法行為に関する訴え」にあたります。そして、民事訴訟法5条9号は、不法行為に関する訴えについての管轄を「不法行為があった地」と定めています。
 したがって、当該交通事故の管轄としては、交通事故が生じた場所である直方市を管轄する福岡地方裁判所直方支部が、管轄を有することになります。

投稿者: 小島法律事務所

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