2024.01.12更新

 福岡県飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「骨伝導イヤホンと道路交通法等違反」の解説です。

 耳を塞がずに音楽等を聴くことできる「骨伝導イヤホン」というものがあります。

 この「骨伝導イヤホン」は、耳を塞がないため、周囲の音を聞きながら、音楽等を聴くことができます。

 では、「骨伝導イヤホン」を使用した状態で、自転車を運転した場合、道路交通法違反となるか問題となるのでしょうか。

 この点、自転車は道路交通法上「軽車両」の一つと位置付けられ(道路交通法2条1項11号イ)、「車両」にあたるため(道路交通法2条1項8号)、道路交通法による規制の対象となります。

 また、道路交通法71条6号は、「前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項」と、公安委員会が定めた規制も、自転車を運転する者の遵守事項としています。

 そして、自転車の走行中にイヤホンを使用することについて、福岡県公安委員会が定めた福岡県道路交通施行細則第14条は、以下のとおり定めています。

(運転者の遵守事項)
第14条 
「法第71条第6号に規定する車両等の運転者が守らなければならない事項は、次に掲げるものとする。

(8) 大きな音量で、カーラジオ等を聞き、又はイヤホン等を使用して音楽を聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両を運転しないこと。ただし、公共目的を遂行する者が当該目的のための指令等を受信する場合は、この限りでない。」

 上記細則からすると、骨伝導イヤホンを使用して自転車を運転した場合、そのイヤホンを使用している状態が、「安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態」にあたるかが、問題となります。

 この点、私が調べた限りでは、福岡県内において、自転車の運転中に骨伝導イヤホンを使用したことで検挙された事案は見つかりませんでした。

 もっとも、骨伝導イヤホンとはいえ、音量等使用状況によっては、「安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態」にあたる可能性があるので、注意が必要です。

 なお、道路交通法71条6号に違反した場合、罰金5万円の処罰を受ける可能性があります(道路交通法120条1項10号)

投稿者: 小島法律事務所

entryの検索

カテゴリ

判例のご紹介 交通事故に遭ってからのご相談の流れ
弁護士に相談するメリット 交通事故の相談に対する6つの安心
弁護士費用について 事務所紹介 オフィシャルサイト