2023.03.31更新

 未だに、高齢運転者によるブレーキ・アクセルペダルの踏み間違え等による交通事故が絶えない昨今。
今回は、飯塚市の弁護士が、道路交通法における高齢運転者対策として新設された「運転技能検査(実車試験)制度」について、ご説明します。

 高齢運転者による交通事故を踏まえて、高齢運転者対策の充実・強化を図るため、運転技能検査(実車試験)制度が導入された改正道路交通法(以下、「道交法」といいます。)が、令和4年5月13日に施行されています。
 運転技能検査(実車試験)制度の内容については、以下のとおりです。

 更新期間満了日における年齢が75歳以上(令和4年10月12日以後に75歳以上の誕生日を迎える方からが対象)で、免許証の有効期間満了日の直前の誕生日の160日前の日の前3年間に「一定の違反歴」のある人は、運転免許更新時に、運転技能検査等を受検することが義務化されました(道交法101条の4第3項)。

 なお、「一定の違反歴」とは、次の違反行為です。
①信号無視、②通行区分違反、③通行帯違反等、④速度超過、⑤横断等禁止違反、⑥踏切不停止等・遮断踏切立入り、⑦交差点右左折方法違反等、⑧交差点安全進行義務違反等、⑨横断歩行者等妨害等、⑩安全運転義務違反、⑪携帯電話使用等

 また、運転技能検査は、主に以下の項目について検査が行われます(警視庁WEBページより)。
①指示速度による走行、②一時停止、③右・左折、④信号通過、⑤段差の乗り上げ、⑥その他

 そして、検査結果が一定の基準に達しない場合には、公安委員会の判断の下、運転免許証の更新されないこともあります(道交法101条の4第4項)。
なお、受検期間中(更新期間満了日前6か月以内)であれば、繰り返し受検することは可能です。

投稿者: 小島法律事務所

2023.03.15更新

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「あおり運転」についての解説です。

 平成29年に東名高速道路で発生した死亡事故等は、皆さまの記憶にも新しいものと思います。
 この死亡事故等を契機に「あおり運転」が社会問題化したことから、妨害運転、いわゆる「あおり運転」に対する罰則の新設(「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」・「道路交通法第117条の2の2第1項8号」)や、道路交通法(以下「道交法」といいます。)改正による免許取消処分の対象への追加が行われました。
 なお、妨害運転が免許取消処分の対象に追加された改正道交法は、令和2年6月30日に施行されています。

 妨害運転については、以下の2つの場合に罰則等の対象になっています。

1 妨害運転をした場合(道交法117条の2の2第1項8号)
 「他の車両等の通行を妨害する目的で、次のいずれかに掲げる行為であつて、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者」
 この点、「いずれかに掲げる行為」とは、以下の違反行為です。
 ①通行区分違反②急ブレーキ禁止違反③車間距離の不保持④進路変更違反⑤追越し違反⑥車両等の灯火違反(減光等)⑦警音器の使用等違反⑧安全運転義務違反⑨最低速度違反(高速自動車国道)⑩高速自動車国道等における駐停車違反

 また、罰則・違反点数・行政処分は以下のとおりです。
(1)罰則:3年以下の懲役または50万円以下の罰金
(2)違反点数:25点
(3)行政処分:免許取消し(欠格期間2年)

 なお、「いずれかに掲げる行為」は、その行為自体は道交法違反行為であることから、所定の処分が下されます。
 この点、当該道交法違反行為を行った際に、「他の車両等の通行を妨害する目的」を有していた場合には、上記の通り、より重い処分が下されます。

2 妨害運転により著しい交通の危険を生じさせた場合(道交法117条の2第1項4号)
 「次条第一項第八号の罪を犯し、よつて高速自動車国道等において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた者」

 また、罰則・違反点数・行政処分は以下のとおりです。
(1)罰則:5年以下の懲役または100万円以下の罰金
(2)違反点数:35点
(3)行政処分:免許取消し(欠格期間3年)

投稿者: 小島法律事務所

判例のご紹介 交通事故に遭ってからのご相談の流れ
弁護士に相談するメリット 交通事故の相談に対する6つの安心
弁護士費用について 事務所紹介 オフィシャルサイト