2022.02.10更新

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による交通事故の慰謝料請求についての解説です。
 「慰謝料」という言葉を耳にしたことがある方は大勢いるでしょうし、「慰謝料を請求できる」「慰謝料を請求する」なんて表現はテレビやネットのニュースでよく見聞きします。
ただ、慰謝料というと、要するに精神的に傷ついたことの代償というわけですから、どうやったら金銭に換算できるのかが問題になります。
 この点、交通事故の場合は、慰謝料と言っても、傷害慰謝料(入通院慰謝料)、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3種があり、それぞれ算定基準が異なっています(また、ややこしいことに算定基準自体いくつかあったり、地域によって違ったりもします。)。
 とはいえ、慰謝料の性質上、その算定は諸事情の総合考慮による必要があるでしょうから、「どんな事案でも基準に従って算定すればいい」とか「誰が計算しても同じ結果になる」というものでもないので、単にインターネットで入手した知識では正確な算定は困難です。
 また、裁判所の認定も、慰謝料については、どうしてその額になったのか説明不足な場合が多く、ときには釈然としない場合もあります。特に、控訴する場合には、原判決がなぜそのような算定に至ったかがわからないと、そもそも反論できないので、算定根拠は明確にしてもらいたいのですが、慰謝料の性質上、それは難しいということなのでしょう。
 これが交通事故以外だともっとややこしくなるんですが、さしあたり交通事故の基準が流用できそうな場合には、交通事故の基準によって算定することもよくあります。

投稿者: 小島法律事務所

2022.02.04更新

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による交通事故訴訟の解説です。

 交通事故の被害者が加害者(加害者側保険会社)から受領した治療費について、本来支払われるべきでないのに支払われてしまったという特殊な事情がある場合、加害者から被害者に対する不法行為に基づく損害賠償請求あるいは不当利得返還請求が認められることがあります。

 普通の事件と異なるのは、①実際に支払ったのは加害者側保険会社であると思われること、②(不当利得として処理する場合)支払先は医療機関であるにもかかわらず、利得したのは被害者であるとされることです。

 この点についての裁判例としては、①広島地裁平成29年2月28日判決(自保1997)、②名古屋高裁平成31年4月11日判決(自保2051)があります。

投稿者: 小島法律事務所

2022.01.28更新

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による最近の交通事故事件の特徴についての解説です。
 かつては、過払金返還請求訴訟(不当利得返還請求)が多数提起されていましたが、過払金返還請求訴訟が減ったことにより訴訟の件数が減っているにもかかわらず、交通事故訴訟の件数については、むしろ増加しているような印象を受けます。もし増加しているとすれば、それは、弁護士費用特約が普及することにより、交渉、訴訟ともに弁護士に対して委任することが容易になっていることが原因だと思います。
 また、弁護士費用特約を用いた場合、いわゆるタイムチャージ契約が可能なせいか、事案の終了まで長期間を要する事件も増えた印象です。
とはいえ、交通事故事件は専門的な知識を必要とする分野なので、どの弁護士に任せても同じような結果になるとは到底思えません。できる限り信頼できる弁護士に相談していただきたいと思います。

投稿者: 小島法律事務所

2022.01.21更新

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による交通事故の過失割合についての解説です。
 交通事故の過失割合については、通常、「別冊判例タイムズ38号」という書籍を使って判断します。
 また、「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準 上巻(基準編)」(いわゆる「赤い本」)にも、過失割合についての記載があります。
 この2冊は、交通事故事件を扱う弁護士なら誰でも持っているとは思いますが、過失割合についての記載が若干違う場合もあります。
 今回は、車同士の事故のうち、交差点における青信号車と赤信号車の出合い頭事故を取り上げます。この事故態様は、100:0の典型と言えます。
 したがって、通常は問題になりえないことから、弁護士が扱うケースは少ないのですが、これが双方ともに青信号主張だと、かなり難しい事件になります。

<別冊判例タイムズ38号>
 交差点における直進車同士の出合い頭事故
 信号機により交通整理の行われている交差点における事故
   青信号車と赤信号車との事故【98】
1 基本過失割合
  0:100
2 修正要素
(1)青信号車
 ア 何らかの過失又は相手車の明らかな先入:+10
 イ 著しい過失:+10
 ウ 重過失:+10
(2)赤信号車
 ア 著しい過失:-5
 イ 重過失:-10

<赤い本>
 【29】別冊判例タイムズ38号と同様の記載。

投稿者: 小島法律事務所

2022.01.14更新

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「自賠責保険用の診断書・診療報酬明細書」の解説です。

 交通事故の多くの場合、交通事故により受傷して治療を受ける際の治療費に関して、相手側の任意保険会社が窓口になって、自賠責保険と任意保険の保険金を一括して扱い、病院などの医療機関に直接病院に支払うサービスを行っています(このサービスのことを「一括対応」と呼びます。)

 しかし、この一括対応は、相手側の任意保険会社が任意に行っているものであることから、治療経過及び症状の推移等を踏まえて、症状固定時期に至ったとの判断のもと、相手側の任意保険会社が、一括対応を打ち切ることも多々あります。 また、相手側の任意保険会社が、事故態様を踏まえて、当該事故と受傷との間に因果関係が認められないとして、一括対応を行わないとの判断を行う場合があります。
 この点、相手側の任意保険会社が一括対応をしない場合、治療費等については、「被害者請求」という方法で対応することが考えられます。

 被害者請求とは、被害者が、自賠法16条に基づき、加害者の自賠責保険会社に保険金を請求することをいいます。
 被害者請求をする際に、一括対応してもらえなかった治療費については、通院した病院の医師に、自賠責保険用の診断書と診療報酬明細書を書いてもらい、その診断書と診療報酬明細書を提出する必要があります。なお、この診断書と診療報酬明細書は、医師の判断もありますが、多くの場合1か月ごとに作成します。
 また、自賠責保険用の診断書と診療報酬明細書は、当該事故と受傷との因果関係を証明するために使用するものであることから、怪我や病気で仕事を休む際に提出する診断書・診療報酬明細書よりも記載する分量が多くなります。
そのため、自賠責保険用の診断書と診療報酬明細書を医師に書いてもらうためには、費用が掛かります。なお、病院によって費用は異なりますが、診断書と診療報酬明細書で1万円程度はかかることが多いです。

投稿者: 小島法律事務所

2022.01.07更新

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による交通事故の「慰謝料の8割での示談の根拠」についての解説です。

 慰謝料の算定においては、自賠責基準、任意保険基準、裁判基準のいずれかの基準が用いられます。
 また、それぞれの基準による慰謝料の額は、裁判基準>任意保険基準>自賠責基準の順で、金額が多くなります。
 そのため、弁護士が介入する前の保険会社から提示される慰謝料の額は、自賠基準か任意保険基準で算定されることが多いです。
 一方で、依頼者からの委任を受け、弁護士が相手保険会社との示談交渉に介入した場合、慰謝料については、裁判基準を用いて算定し、相手保険会社に請求して、示談交渉に臨みます。
 そして、相手保険会社との交渉おいて、保険会社から「慰謝料については裁判基準の8割程度で」と言われることが多々あります。
 依頼者からすれば、請求した金額からいきなり2割減額されるのですから、この根拠は何なのか気になるところかと思います。
 この点、この「8割」の根拠については、裁判官の講演で、「保険会社としては、裁判基準に準拠すべきであり、ただ、訴訟になった場合のコストや時間をかけないで解決することから、裁判基準から多少減額することに合理性が認められ、落ち着きとしては、裁判基準の8割程度ということになるのでしょうか」との発言によるものと考えられます(『新しい交通賠償論の胎動』東京三弁護士会交通事故処理委員会編集)。
 しかし、8割は、あくまで示談における落ち着きどころの一例であって、実際の交渉の中では、8割以上の金額で示談することもあります。

投稿者: 小島法律事務所

2022.01.04更新

飯塚市の小島法律事務所より、新年のごあいさつを申し上げます。

 新年あけましておめでとうございます。

 旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。

 当事務所は福岡県飯塚市にある「あいタウン」に開業してから9年目を迎えます(なお、弁護士登録からは12年目となります。)。

 開設以来、飯塚市はもちろん、田川市、直方市などの筑豊地域を中心に、交通事故案件、離婚案件、倒産案件を始めとする数多くのご相談を受け、交渉、訴訟等の案件を数多く解決してまいりました。

 これからも、飯塚市、田川市、直方市など、筑豊地域の皆様を中心にしたお客様のご期待に応えることができるよう、弁護士、事務職員一同引き続き、日々精進する所存ですので、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

小島法律事務所

所長弁護士 小島邦夫

投稿者: 小島法律事務所

2021.12.21更新

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「保険代位と弁護士費用」についての解説です。

 日本の裁判では、訴訟追行を本人に行うか、弁護士を選任して行うかは本人の自由です。そのため、裁判で掛かる弁護士費用は、当該案件を弁護士に委任することを選択した本人の自己負担となるのが原則です。また、訴訟費用は敗訴者の負担となりますが(民事訴訟法61条)、弁護士費用は訴訟費用に含まれません。
 もっとも、現在の実務では、交通事故の損害賠償において、弁護士が代理人となっている場合には、弁護士費用が損害として認められるのが通例です。
 交通事故の損害賠償において弁護士費用が認められるのは、弁護士費用が不法行為と相当因果関係がある損害とされているからです。
 この点、最高裁判判決昭和44年2月27日判決(民集23巻2号441頁)は、「わが国の現行法は弁護士強制主義を採ることなく、訴訟追行を本人が行なうか、弁護士を選任して行なうかの選択の余地が当事者に残されているのみならず、弁護士費用は訴訟費用に含まれていないのであるが、現在の訴訟はますます専門化され技術化された訴訟追行を当事者に対して要求する以上、一般人が単独にて十分な訴訟活動を展開することはほとんど不可能に近いのである。従つて、相手方の故意又は過失によつて自己の権利を侵害された者が損害賠償義務者たる相手方から容易にその履行を受け得ないため、自己の権利擁護上、訴を提起することを余儀なくされた場合においては、一般人は弁護士に委任するにあらざれば、十分な訴訟活動をなし得ないのである。そして現在においては、このようなことが通常と認められるからには、訴訟追行を弁護士に委任した場合には、その弁護士費用は、事案の難易、請求額、認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものに限り、右不法行為と相当因果関係に立つ損害というべきである。」と判示し、不法行為に基づく損害賠償請求において、弁護士費用は不法行為と相当因果関係にあることを認めています。

 一方で、保険会社が代位取得した損害賠償請求権に基づく請求の場合に弁護士費用の請求については問題があります。
 この点、名古屋高等裁判所平成29年10月13日判決(判例時報2381号87頁)は、「保険代位により取得した損害賠償請求権に基づく求償金請求であるから、これに要する弁護士費用が当然に賠償の対象となるものではないと解される。しかるに、一審原告会社は、弁護士費用が賠償の対象となる旨の具体的な主張・立証をせず、他に、これを認めるべき事情もうかがわれないから、弁護士費用は認められない。」と判示し、保険会社が代位取得した損害賠償請求権を行使する際の弁護士費用を認めていません。
 もっとも、東京地方裁判所平成15年9月2日判決(交民36巻5号1192頁)及び東京地方裁判所平成14年12月25日判決(交民36巻6号1715頁)は、「保険代位が生じる時点で既に被害者が訴訟追行を弁護士に委任していた場合には、具体的に発生した弁護士費用の賠償を求める権利は損害賠償請求権の一部として保険会社に移転することになる」と判示し、保険代位が生じる時点で既に被害者が訴訟追行を弁護士に委任していた場合に、弁護士費用が保険会社の損害に含まれる可能性があることを認めています。

投稿者: 小島法律事務所

2021.12.06更新

 飯塚市の小島法律事務所より、弁護士による「自賠責保険と任意保険との関係 その1」についての解説です。

 交通事故を起こしてしまったときに、車に任意保険がついていたが、手違いのため自賠責保険が期限切れとなっていた場合に、任意保険からはいくら払ってもらえるのか問題となります。

 結論からいうと、自賠責保険金額を控除した分のみが任意保険から支払われます。
 例えば、損害額が300万円で、自賠責保険がついていたときに120万円が支払われる場合には、差額の180万円のみが任意保険から支払われます。

 差額しか払われないのは、任意保険の対人賠償保険は、「上積み保険」と呼ばれ、自賠責保険を超過した損害を支払う契約となっているからです。
 なお、任意保険の対人賠償保険の約款では、多くの場合、「当会社は、…自賠責保険等…よって支払われる金額を超過する場合にかぎり、その超過額のみ保険金を支払います」と記載されています。

 そこで、加害者の車の自賠責の期限が切れていた場合、被害者は、自賠責保険金額分は、直接加害者から回収しなければならないのか問題となります。
 この点、自賠責保険のついていない自動車事故や、ひき逃げなど加害車両が不明な場合には、自動車損害賠償保障法第72条1項に基づき、事故の加害者にかわって、被害者に対して事故による損害にかかる治療費、慰謝料等の保障金(以下、「てん補金」という。)を支払う政府保障事業があります。
 そして、この請求は、加害者・被害者のいずれかの自賠責保険会社または自賠責共済を通じて、政府に対して行います。
 そのため、てん補金が支払われた場合には、被害者は、自賠責保険が支払われる場合と同等の保障を受けられる可能性があるといえます。
 なお、てん補金が支払われた場合、自動車損害賠償保障法第76条1項に基づき、政府は、加害者に対して被害者の有していた損害賠償請求権を代位して求償する可能性があるので、加害者は自賠責保険から支払われるはずだった賠償金の負担を免れないといえます。

投稿者: 小島法律事務所

2021.11.19更新

 平素は、格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。


 さて、誠に勝手ながら、当事務所では下記の期間、年末年始の休業といたします。


 令和3年12月28日(火)~令和4年1月3日(月)


 通常業務は、令和4年1月4日(火)より再開いたします。


 お客様にはご不便をおかけいたしますが、なにとぞご寛容くださいますよう、お願い申し上げます。


 来年も、本年同様、お客様にご満足いただけるリーガルサービスの提供を目指し、一層努力してまいります。


 今後とも、変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

投稿者: 小島法律事務所

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